元個人病院の建物で展開する「アートプロジェクト@UBE INTERSECTION」が3月12日、宇部のカフェ&ギャラリー「GLYCINES(グリシーヌ)」(宇部市浜町2)で始まった。
主催は、新天町商店街の「シャッター壁画プロジェクト」やJR東新川駅の駅舎アートプロジェクトなどを手がけてきたアートグループ「FCA(おともだちコンテンポラリーアート)」。
同グループ事務局長の増田圭介さんは「コロナ禍でずっと活動を自粛してきたが、そろそろ何かやりたいというグループと作家の思いが合致し、開催に踏み切った。この建物が個性的で味のある場所だと聞いて実際に見たところ、普段使われていない場所にこそ魅力があると感じた」と話す。
「プロジェクトタイトルの『INTERSECTION』には、社会的側面と美術的側面が交差する場という意味を込めた。美術館などの専門施設の外にあえて展示することで、限られたコミュニティーだけでなく、いろいろな人に見てもらいたい」とも。
参加するアーティストは、下関、北九州で活動する彫刻家・西村奈杜子さん、宇部在住のイラストレーター・kozi69(コヲジロック)さん、山口在住の現代美術作家・鈴木啓二朗さん、北九州在住のアーティストグループ・鶴留一彦さん、森秀信さん、FCA主宰画家・原井輝明さんの6人。
イラストやビデオプロジェクション、インスタレーションなど、「時間の空間化」をテーマに「人・物・場所」の過去や現在に焦点を当て、会場に刻まれた歴史や記憶を空間に表現した作品を展示する。
増田さんは「アートプロジェクトは概念的なものになってしまうが、作家が記憶や考えを落とし込んで提供する作品を見て、そこから感じるものを自分の住むコミュニティーなどに当てはめることで、抱えている問題に目を向ける契機にしてほしい。いろいろな角度から物事を見る楽しさは、作品だけではなく日常生活の中にもあることを体験してもらえれば」と話す。
開場時間は11時~17時(最終日は16時まで)。木曜店休。入場無料。今月18日まで。最終日の15時~16時、kozi69さん、鈴木さん、森さんらによるトークイベントを行う。観覧無料。