山口・中市商店街の百貨店「山口井筒屋」のオープンから1カ月を迎え、商店街の通行量が増加していることが山口商工会議所(山口市中市町)の通行量調査で明らかになった。
山口商工会議所が実施した「平成20年度通行量調査(速報)」によると、山口市中心商店街の13地点で調査した通行量の合計は、10月19日(日)=63,399人、21日(火)=47,732人。昨年の同時期と比べて、日曜は約123%、平日は約108%の通行量の増加が見られた。臨時調査(10地点)でも、10月12日(日)=78,408人、25日(土)=62,944人、11月2日(日)=64,318人という結果が出ており、土日の通行量が昨年に比べて増えていることを示している。
山口商工会議所の飯田裕史事務局長は「ここ十数年、土日は郊外の商業施設に人が流れる傾向があったが、山口井筒屋のオープンで土日にも商店街に人が来るようになった。特に子ども連れの家族が増えたのが特徴的。商店街にとっては良い効果が出ている。今後はこの流れをどうやって維持するかが課題となる。商店街と一緒になって、集客できるイベントを積極的に仕掛けていきたい」と話す。
10月3日~13日に山口井筒屋のオープンと同時に商店街で開催した「やまぐち秋の彩りフェスタ」に関して、各店舗を対象に実施したアンケートでは、調査データ82件のうち、イベント期間中に「来店客が増加した」と答えた店舗は60%、「変わらない」と答えた店舗は39%。「売り上げが増加した」と答えた店舗は48%、「変わらない」と答えた店舗は50%となっており、約半数の店舗に良い結果を残した。
同アンケートでイベントに伴い各店舗で何か販促を行ったかという問いに、「実施していない」と答えた店舗が70%だったことについて、飯田局長は「各店舗がイベントや山口井筒屋の開業をチャンスととらえて仕掛けていかなくては、商店街に魅力が出ない。相乗効果で魅力を出していけば、商店街への来街者数増加の傾向も長く続くのでは。商工会議所がこれから組織と各店舗をいかに引っ張っていくかが課題となる」とも。
井筒屋(北九州市)から商況の発表もあり、山口井筒屋の10月度の入店客数は約31万人、売上高は7億5千万円。「山口井筒屋」の前身である百貨店「ちまきや」の同月数値と比較すると、入店客数は171%、売上高は135%を記録した。特に、洋菓子、生鮮品、総菜などの食品部門が好調で、売上高は2億円を上回り、全体の28%を占めているという。(©マルニ)