宇部市内で12月3日、来年度から市立中学校で導入される統一デザインの制服の採寸が始まっている。
宇部市では、全国的にブレザー化が進むことによる価格の上昇や、ジェンダーレスな制服の要望などから昨年11月に保護者にアンケートを実施。賛成や中立の意見が多かったことから統一デザインのブレザー化に向けて準備を進めてきた。
来年度からは、先行してブレザー化している藤山中学校と東岐波中学校を除く10校が新制服を導入する。新制服への切り替えには令和7年度から5年間の移行期間を設ける。
新しい制服は、「花と緑と彫刻のまち」を掲げる「宇部らしさ」を意識したデザインで、瀬戸内海をイメージした濃紺のジャケットに、彫刻を連想するグレーにブルーのチェック柄ボトムスを組み合わせる。ボタンは、ゴールドとシルバーの2色を用意し、宇部市の「U」の文字と市花の「サルビア」をあしらい、ネクタイとリボンはスクールカラーをベースに各校独自のデザインを採用する。
ジャケットは男子体型用・女子体型用・男女兼用、ボトムスは男子体型用スラックス、スカート、女子体型用スラックスの各3タイプを用意。夏用のポロシャツは、半袖または長袖で白と紺の2色を用意する。
採寸が始まった学生服専門店「タツヤ」(松島町)の水田充紀社長は「多様性の考えから、全国的にブレザー化が進んでいるのは必然の流れ。そうした中で各校がバラバラに用意するのではなく一斉に切り替えたのは良い判断だと思う。長年制服を販売してきたが、動きやすく着脱しやすいブレザーはこれから中学生になる子どもたちに適しており、販売店としても歓迎している」と話す。
市内小中学校長や市教育委員会、PTA役員らで構成する「市立中学校制服改定委員会」の会長を務める大山隆史川上中学校長は「宇部らしさが反映された制服になっている。価値観が多様化する世界になっていく中で、どの子にとっても着心地がよく生活しやすいものになれば。子どもたちや保護者の皆さんに長く愛され、着用してもらいたい」と話す。