
宇部に拠点を置く一般社団法人「よもぎハーバル協会」が主体となり、10月1日から「蒸気温熱療法(よもぎ蒸し・ミネラル蒸し)」の健康効果を科学的に検証する臨床研究を始める。現在、この研究に協力できるモニター参加者を募集している。
研究責任者であり、同協会の代表理事を務める鈴川純子さんは、元看護師の経歴を持つ。2018(平成30)年に自宅で「よもぎ蒸しサロン」を始めた後、同協会を設立して全国約250店舗のサロンとともに温活の重要性を広めてきたが、「温熱療法の効果に関する論文がない」ことに危機感を抱き、信頼性を高めるために今回の研究に踏み切ったという。
鈴川さんは「エビデンスがなければ信頼を得ることは難しい。どれだけ大変でもやるしかない」と、温活の健康効果を科学的に証明することへの強い決意を示す。この研究は、医師や外部専門家の監修の下、倫理審査委員会での承認も受けており、鈴川さんが研究担当スタッフとともに実施する。
募集するモニターは、宇部市近郊に住む20歳から60歳未満の男女で、研究期間である約8週間、同協会の直営店「SUZUJUKU(スズジュク)宇部本店」(黒石北4)に通える人が対象。
必須条件として、睡眠の質の低下、冷えの自覚、体重や体型の悩み(BMI23以上、または体脂肪率:女性30パーセント以上・男性25パーセント以上)のいずれかがあること、過去1カ月以内にサウナや岩盤浴などの温熱施設を利用していない、過去1年以上よもぎ蒸しなどを定期利用していないなどがある。「ストレスを日常的に感じている人はぜひ参加してもらいたい」と鈴川さん。
募集は9月20日まで。締め切り後に研究上の基準に基づいてスクリーニングを行って選考し、今月25日からの5日間で、体組成や血圧・体温の測定、研究説明、簡易アンケートなどの「事前調査」を実施する。
10月から「本調査」を始め、12月初旬にかけて週に1~2回、よもぎ蒸しまたはミネラル蒸しの施術を30分間受ける。スケジュールに沿った曜日・時間に来店し、週1回と2回の頻度による違いも比較する。施術内容や回数はランダムに決められ、公平性が保たれる。
研究期間中、簡易的な測定に加え、開始日、中間日、最終日には体組成測定、サーモグラフィ撮影、唾液検査を実施する。参加者は、睡眠状況などを記録する簡易日誌を毎日つける必要がある。参加費は無料。全期間に協力した人には、修了証や同店の施術チケットを贈呈する。
鈴川さんは「今回の研究結果は学会でも公表したい。温活の普及促進やヘルスケア部門の社会貢献につなげていきたい」と意欲を見せる。
問い合わせは、サロン本店研究事務局(TEL 0836-43-9981)まで。