少子高齢化と医師不足が進む中、山口大学医学部附属病院(宇部市南小串1)が女性医師のキャリア支援に取り組んでいる。
女性医師の割合は全国的に増加傾向にあり、現在、同大学医学科に通う学生は約36%が女子医学生。医師としてのキャリア形成の時期と、結婚・出産・育児などの女性としてのライフ・イベントの時期とが重なる女性医師を支援しようと2015年4月から取り組みを始め、同院内に相談窓口「医療人キャリア支援室」を設置した。
山口県の「女性医師キャリアアップ支援事業」を受託し、県内の女性医師からの相談に対応するほか、出産後の復職に向けたフォローアップや育児サポート制度の紹介、マタニティ白衣の貸し出しなどを行う。
これまでの相談件数は76件。同院の医師で、山口県女性医師キャリアコーディネーターとして活動する松田昌子さんは「医師不足は一般市民の生活に直結する問題。女性医師の離職を防ぐことが医師不足解消の一つの方法になるのでは」と話す。
同事業ではリーフレットやホームページを使って情報発信や活動周知を行うほか、医療環境改善や医療従事者の意識改革のためのセミナーを不定期で実施。今月18日にはNHKの報道番組「クローズアップ現代」のキャスターを長年務めた国谷裕子氏を講師に迎え「第5回キャリアアップセミナー」を開いた。
「女性が家庭と仕事を両立するには周囲の理解も必要と感じる。第三者の立場からしっかりサポートしたい。必ず道は開けるので、一人で悩まずに相談してもらえれば」と松田さん。
対応時間は月曜~金曜の9時~17時。事前連絡で時間外の相談にも対応する。問い合わせは同室(TEL 0836-85-3137)まで。