空き家をリノベーションして「コミュニティスペース」を作るプロジェクトが現在、さまざまな企業や市民の協力を得ながら宇部市中央町で進んでいる。
プロジェクトを主宰しているのは、茨城県取手市在住の現代美術家・葛谷允宏さん。アートチーム「葛谷春光堂」の代表で、UBEビエンナーレに新設された「アーティスト・イン・レジデンス部門、プロジェクト型(中心市街地)」に選ばれ、2018(平成30)年に宇部市で滞在制作を行った。
リノベーションしている空き家は、滞在の拠点としていた2階建ての建物。1階に飲食ができる「カフェバースペース」と「交流スペース」、2階にアーティストが滞在する「レジテントスペース」と展覧会などに使用する「ギャラリースペース」を設ける。施設の名称は「コンフリ」。
内装のデザインは、山口大学工学部感性デザイン工学科の学生らが手掛ける。交流スペースに設置するテーブルを探していたところ、山大工学部近くにあった電線ドラムが目に留まり、所有する興陽電機宇部支店(海南町)に寄贈してもらいたい意向を伝え快諾を得たという。
9月27日には、清水モータース(寿町3)が軽自動車を寄贈した。一役買った宇部未来会議の藤重雅明会長は「にぎわいやまちづくりの一環で進んでいるプロジェクト。いろんな人の協力がないと成り立たないと思う。できることは協力したい」と話す。
葛谷さんは「全国のアーティストが滞在しながら制作や展示できる場所であり、市民の皆さんが交流する場所にしたい。11月にはプレイベントを行って周知を図り、2020年1月にオープンする予定。飲食店をやってみたい人やイベントを企画してみたい人などにぜひ関わってもらいたい。運営方法などは、いろんな人たちとチャレンジしながら進めていきたい」と話す。