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山口の空き家で「現代美術展」-空間全体を使って世界観演出

総合演出を手掛けた笹原さん(左)とドゥー・ア・フロントの藏田さん

総合演出を手掛けた笹原さん(左)とドゥー・ア・フロントの藏田さん

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 山口・堂の前で現在、元材木店の空き家を利用したギャラリー企画「アーキテイルズ~空間と物語をめぐる現代美術展~」(山口市堂の前町1)が開催されている。

秒針の音が響き渡る空間演出

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 同展は空間全体を作品に仕上げるインスタレーション。4人のアーティストがそれぞれの世界観を演出。伝統芸能や空き家などの地域文化資源を、アートの方面から再活用する取り組みを行う「Do a Front(ドゥー・ア・フロント)」が「同エリアで進む空洞化を食い止めたい」と企画した。

 参加するのは、山陽小野田の画家・田上允克さん、美祢の陶芸家・大中和典さんや山口の音楽家・takuwanさん、同展の総合演出を手掛けた神奈川・鎌倉の美術家・笹原晃平さん。空き家全体を使い、絵画47点や配電盤や配水管などを撮影した写真14点を展示。

 そのほか、近隣の民家から借りたという51個の「時差」のある時計を元ガレージに一堂に配置。2階部分に制作した「床」は板を磨いたものと手を加えていないものを交互に並べ、スポットライトを当て光の陰と陽を表現した。最終日には、takuwanさんによる演奏も行う。

 施工・設営期間は2週間。笹原さんは「家を含めたこの場所が生き返ったように思う。観光としてのスポットではないが、ここに誰かが何十年も住んでいたということだけでも、場所にとても力がある。『あるもの』を見ることで価値を見いだせたら」と笹原さん。

 「構想は1年ほど前から練っていた。準備中には近所の方が清掃を手伝ってくださったり、小学生が遊びにきてくれたりと楽しみながら開催を迎えることができた」とドゥー・ア・フロントの藏田さん。「空き家や古い家が変化を遂げることを知ってもらいたい」とも。

 開催時間は平日=11時~18時(水曜は20時まで)、土・日曜日=10時~20時。入場無料。問い合わせは藏田さん(TEL 080-4556-3858)まで。今月7日まで。

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