中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430)で現在、企画展「詩が生まれた場所へ-中也の見た風景」が行われている。
山口・湯田温泉出身の中原中也の生誕110年を記念して7月27日に始まった同展。中也が生まれ育った山口と青春時代を過ごした京都、家族と過ごした東京と、場所や作品の舞台に焦点を当て、時代背景と合わせて4部構成で84点を展示する。
展示するのは、未発表の直筆原稿「一つの境涯」や「冬の長門峡」の原稿や書簡などのほか、中也が愛用していた遺品のコートや名刺、パイプや愛聴していたレコードなど。中也が通った東京・京橋のバー「ウィンゾアー」で使われていた椅子とテーブルも展示する。
同館学芸員の菅原真由美さんは「中也は明治40(1907)年に生まれ、30年の生涯を閉じた。感受性が強く、存在感の大きな人だったパーソナリティーも垣間見ることができる」と話す。「節目の年にふさわしい企画展になった。中也の人間関係から見た景色までを体感してもらい、中原中也という人間を知ってもらえれば」とも。
期間中は、同展に合わせて中也に関連したイベントを実施。8月19日には、中也直筆の原稿の写真を使ったオリジナル詩集を制作するワークショップを行うほか、9月2日には同館の中原豊館長が解説する「中也カフェ 蓄音機コンサートinぼなーる」などを開く。
開館時間は9時~18時(入館は17時30分まで)。入館料は320円(大学・専門学校生=210円、70歳以上・17歳以下=無料)。月曜休館。10月1日まで。イベント詳細は同館ホームページで確認できる。