宇部市港町のレストラン「キャプテン」(TEL 0836-33-6363)が8月、オープンから30周年を迎えた。
場所は、漁船が停泊する宇部港ほど近く。県産の野菜や地元で水揚げされる魚介など季節の食材を使い、オーナーシェフの藤谷幸司さんが鉄板のカウンターで調理するクラシックなフレンチコースを提供する同店。
オープン当初は、鉄板焼き店として営業していたが、東京でフランス料理の修業を積んだ藤谷さんがUターンして厨房(ちゅうぼう)に入り、開店から3年後の1993年に店を譲り受けて独立。以来、1日8人までの利用客限定のレストランとして、妻の美由紀さんと共に切り盛りしてきた。
夫婦で看板を守り歩んできたこれまでを振り返り、藤谷さんは「こつこつと当たり前のことを積み重ね、これまで変わらないための努力をしてきた。料理に私の地元愛も込め、大きな変化を追い求めるのではなく、いつお越しいただいても安定感や安心感を保つことを意識してきた」と話す。
利用客は20代から年配層まで幅広く、記念日利用が多い。美由紀さんは「お越しになるお客さまには楽しみを、お帰りになるお客さまには喜びの気持ちを感じていただいたいと毎日心にとめている。30年の節目は本当にうれしい」と笑顔を見せる。
30周年を記念し、11月26日には長年親交のあるチェリスト・吉井健太郎さんを迎え、コンサート「バッハとカサド2つの無伴奏を吉井健太郎のチェロで聴く会」を開催する。会場は山口市佐山の「耕心の里」で、開催時間は14時~。
藤谷さんは「これまでのいろいろな方とのご縁とタイミングが重なり、感謝の気持ちを皆さんに伝えて、楽しんでいただける場を設けることができた。これからも、スタイルはそのままに心が満たされるような料理を提供していきたい」と話す。
営業時間は19時~23時。月曜定休。