「第28回UBEビエンナーレ」(現代日本彫刻展)が9月29日、宇部ときわ公園で開幕した。
1961(昭和36)年に始まり、国内で最も古い歴史を持つ野外彫刻国際コンクール。昨秋に行われた模型やドローイングの選考会には42カ国から318点の応募があり、その中の15作品が「実物制作指定作品」として選ばれた。
9月28日に行われた選考委員会で8作品の入賞が決まり、大賞(宇部市賞)には、兵庫県在住の彫刻家・三宅之功さんの作品「はじまりのはじまり」が選ばれた。高さは3メートル50センチ、重さ4トン。卵型の彫刻にステンレスのプレートとコケをあしらい、「生命の誕生とその始まり」を表現した。
三宅さんはこれまで同展に4回応募。2013(平成25)年の第25回展では入賞した実績を持つ。「UBEビエンナーレは学生時代の20年前から見てきた展覧会。大賞受賞はうれしい」と笑顔を見せる。
「この会場に作品を設置してから、コケに飛来した植物の種が付き、もう育ち始めている。枯れてしまうのも成長するのも運命。今日から宇部の地で命が込められて作品が成長していけば」とも。
久保田后子宇部市長はセレモニーで「今回も多くの支えによって開催できることに感謝したい。2年後は本展が始まって60年、市制100周年の節目を迎える。三宅さんの作品は、まさに新しい時代の未来を捉えているように思う。『アートによる街づくり』は本市が本家本元。これからも発信していきたい」とあいさつした。
11月24日までの期間中、同園では受賞作家によるワークショップや彫刻をテーマにした絵画の募集などイベントを実施するほか、11月4日までは彫刻のライトアップも行われる。