江戸時代に描かれた古地図を見ながら街を散策するイベント「古地図を片手に、まちを歩こう。」が10月1日、山口県内で始まった。
かつての宿場町や城下町、漁師町などで、地域に詳しいボランティアガイドがアテンドして全34コースを展開。舞台は、山口市や宇部市、美祢市などのほか、下関市や柳井市、萩市など県内13市町と観光連携する島根県益田市。
山口県観光連盟の吉谷由紀恵さんは「山口県内には、長州藩の絵図方が製作した地図が良い保存状態でたくさん残されている。時を越えて活用し、地域の方にとって身近な場所でも、古今の地図を照らし合わせると歴史の面白い背景が見えてくる。地元の魅力の再発見をしてもらえれば」と話す。
2017(平成29)年に明治維新150周年を記念して始まり、今回で3回目。昨年は、歴史好きの人などを中心に老若男女を問わず1000人を超える参加があり好評を得た。
今回は、新しく6コースを新設。宇部市小串地域では、真締川周辺や宗隣寺などを巡る「ある日忽(こつ)然と現れた砂嘴(さし)と入海の痕跡を探してブラ散策」が毎月第2日曜に行われるほか、萩では「萩藩主毛利氏の居城『萩城』の歴史を感じる城さんぽ」が毎週末に実施される。
スタンプラリーも実施し、10コース以上の参加でグッズなどが進呈される。ガイドウオークのほか、日時を問わずに参加できるようにスマホアプリも用意し、アプリ上の古地図を見ながら自由に散策することもできる。
吉谷さんは「遠方からの参加というよりも、地元の方が地元開催のコースに参加されることが多い。古地図の絵としての美しさはもちろん、歩きながら普段は感じられない体験ができると思うので、地域の歴史に思いをはせてもらえれば」と呼び掛ける。
申し込みはコースごとに受け付ける。期間は来年3月31日まで。