山口・洞春寺の境内に陶芸工房「水ノ上窯」(山口市水の上町、TEL 090-4659-4378)が開窯し、5月24日で1カ月を迎える。
山口市出身の陶芸家・舛井岳二さんが、毛利元就の菩提(ぼだい)寺である「洞春寺」の敷地内にあった納屋を改装して開いた。
舛井さんは、萩の窯元「大屋窯」での12年間にわたる修業を経て昨年1月、地元に戻って独立の準備を進めてきた。「寺などの空間が元々好きで、自然のある心地良い場所で作品をつくりたいと思っていた。2年ほど前に場所を探していたときに住職と知り合い、相談したところ快く受け入れてもらえた」と話す。
自然に囲まれた同工房の入口横に製作した作品を置く販売スペースの棚を木でつくり、日常使いできる皿やカップ、茶わん、花器などの陶磁器を並べる。
萩や下関市豊北町の土を使い、電動式のろくろで成形する。舛井さんは「そのときの自分の気持ちにフォーカスを当てて、素直に表現していきたい。洞春寺の土を使って作品も作りたいし、爽やかな空気が流れるこの環境だからこそできるものをつくりたい」と意気込む。「窯開きとして4月24日と25日の2日間、市内のコーヒー店などを呼びイベントを行った。本堂を借りて展示会を開くなど、今後も楽しいことを企画してもっとたくさんの人が出入りする場所になればと思う。今後は、同敷地内に建つ山口育児院の子どもたちに焼き物を教えたり、自身のつながりを駆使してさまざまな業種の仕事をしている人を呼び、いろいろな生き方や選択肢があることも伝えていきたい」とも。
陶芸体験コースは、「手びねり・ろくろ体験コース」(5,000円)。2日間かけて仕上げまで行う「ろくろ体験コース」(7,000円)のも用意する。要予約。