体験型イベント「びじゅチューン!×山口ゆめ回廊博覧会 なりきり美術館」が現在、NHK山口放送局(中園町)1階ロビーと山口情報芸術センター(=YCAM、中園町)で行われている。
「山口ゆめ回廊博覧会」の主要イベントの一つとして、NHK山口放送局開局80年記念イベントとして山口市とNHK山口放送局、文化財活用センターが連携して行う。
「なりきり美術館」は、アーティストの井上涼さんによる歌とアニメで世界の美術をユーモラスに紹介するEテレの人気教養番組「びじゅチューン!」とのコラボ企画展で、同番組で取り上げた作品の複製や映像を使った体験型の展示を行う。2018(平成30)年の東京国立博物館での開催を皮切りに、大分、千葉、福岡など全国各地で行われ、中国地方では初となる。
NHK山口放送局の会場では、100年以上前の画家・岸田劉生が描いた麗子微笑になりきる「顔パフォーマー麗子」、巻物の中の絶景を8K映像で楽しむ「8Kで絶景フロム山水長巻」(7月末から実施予定)、タブレットを操作して自分なりの硯箱(すずりばこ)をデザインできる「作れます八橋蒔絵(まきえ)硯箱」、歌川広重が描いた浮世絵の行程見本の展示や、絵はがきに雨のスタンプを使って浮世絵師になりきる「雨は愛すがどう描く?」の4つのコンテンツを展開する。
YCAM会場では、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎が描いた浮世絵の波の大きさを実際に体感できる「体感!ザパーンドプーン北斎」、約400年前の京都の町並みを描いた国宝「洛中洛外屏風(舟木本)」のレプリカを展示し、びょうぶの中に描かれた当時のごちそうを探す「洛中洛外グルメチェック」を行う。
7月16日に行われたオープニングセレモニーには、アーティストの井上涼さんが来場した。井上さんは「美術に『なりきる』というのは、なかなかできない体験だと思う。この機会に絵の登場人物や作者本人になりきって、気軽に楽しんでみてほしい」とあいさつした。
渡辺純忠山口市長は「小さなお子さまからご年配の方まで楽しめるコンテンツなので、『なりきり美術館』をきっかけに気軽に美術に触れ、魅力を知って興味を持ってもらい、関連作品やさまざまな美術作品が展示される県内の美術館などに足を運んでいただければ」とあいさつした。
開催時間は10時~18時(最終日は17時30分まで)。新型コロナ感染症拡大防止のため、特設サイトで事前予約が必要。NHK山口放送局=開催中は無休、YCAM =火曜休館。8月22日まで。