深川萩の全窯元が作品を展示する企画展「うつわの秋」が現在、長門・湯本温泉で開かれている。主催は萩焼深川窯振興協議会と長門湯本温泉まち。
今回が3回目となる同展。今年のテーマは「夜咄(よばなし)の器」で、人と人が触れあう機会が少なくなっている昨今でも、中秋の名月の時期に秋の夜長を大切な人と楽しんでもらいたいと開催している。
約360年の歴史があるという「深川萩(萩焼深川窯)」は、もう一つの萩焼ともいわれ、湯本温泉にほど近い窯元集落「三ノ瀬」にある5つの窯元で、8人の作陶家が現在も茶陶器を作り続けている。
同展は、3つの会場でテーマごとに異なる作品を展示する。メイン会場となる「恩湯」では、深川萩の伝統的な技術・素材を用いた器を展示。古民家を改装した土産店「おとずれ堂」では、茶陶やオブジェなど作家性の強い作品を展示。川沿いのギャラリーカフェ「cafe&pottery 音」では、コーヒーカップや皿など日常に取り入れやすい作品を展示する。
長門湯本温泉まちの永田尚祥さんは「歴史のある窯元が一堂に介することで、作家による表現の違いを楽しんでもらえる。実際に直接触れることができる作品もあるので、受け継がれてきた技術や美的感覚を手のひらで感じてもらい、気に入った作品を生活の中に取り入れてもらえれば」と話す。
期間中、メイン会場に隣接する「恩湯食」では、深川萩の作品にのせた数量限定プリン(500円)を提供。温泉街の「365+1 BEER」では、深川萩のビアマグと合わせた3種類のビアフライセット(1500円、売り切れ次第終了)を提供する。
開催時間は、恩湯=10時30分~17時30分、おとずれ堂=11時~18時(22日は休催)、cafe&pottery 音=10時~16時(同)。今月26日まで。