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インタビュー2016-03-14

銘木で作る世界にひとつの筆記具 くすのき工房

ビジネスマッチング宇部(以下、BM宇部)とのコラボ企画「事業者インタビュー」。第15回は、昨年6月に宇部・新天町へ移転オープンし、オリジナル木工筆記具を製造・販売する「くすのき工房」の代表・結城静雄さん。木工を始めた経緯や現在の様子、広めたい銘木の魅力などについて聞いた。(聞き手/山口宇部経済新聞編集長 田辺久豊)

-本日は、取材をお受けいただき有り難うございます。移転オープンから約9カ月経ちますね。順調ですか。

移転前は万倉の自宅のそばに工房を構えて製造・販売を行っていましたが、利便性を考えて移転しました。おかげさまで移転後はとても順調です。1カ月分の売上が移転前の1年分になることもあるほどです。これまでの約9カ月で千本以上販売しました。田舎から出てきて大成功だと感じています。

-結城さんが木工を始められたのは何年前になるのですか。

約30年前になりますね。始めたころは本業で高圧ガス処理の仕事をしていたので、木工は趣味でした。始めたきっかけは、お盆を買おうと家具店に行ったらガラスケースの中に並べてあったものが1枚10万円もしたので、これなら自分で作った方がいいと思ったことです。

-そうなんですか。店内にお盆などが置いてあるのは、そういうことなのですね。

はい。この店では機材がなくて作ることができないので、船木にある工房で作ります。オーダーに合わせた大きさや形で手作りできますよ。これまでに、大きな木をくり抜いて作る壺も作りました。厚さ10mmで仕上げ、陶器のような美しいツヤが出ました。ここに置いていたらすぐ売れてしまったのですが、今も注文があれば製造しています。

-木製の壺というのは珍しいですね。ところで、筆記具はオーダーしたらどのくらいの期間で作ってもらえるのですか。

筆記具は1時間ほどあれば完成します。お客さまが選んだ木材と部品を組み合わせ、握った時の細さなどもご注文いただき、店内にある工房で作っていきます。

部品はドイツ製で、ボールペンが12種類、シャープペンシルが2種類、万年筆が3種類あります。木材は全て銘木で、縞黒檀(しまこくたん)、紫黒檀(むらさきこくたん)、黒檀(こくたん)、花梨(かりん)、欅(けやき)、紅木(こうき)など、10種類以上あります。樹齢が長い木の根を使うと本当に美しい木目が出ます。木材だけでなく、アクリル素材や竹、象牙、水牛・鹿の角などでも作ることできます。

-店内にはたくさんの木材がありますね。これらは、どちらから仕入れておられるのですか。

木工関係で働く友人から質の良い木材を安く購入したり、知人が古い家で使っていた柱や楽器などで使われていた木材を譲ってくれたりしています。家具の製造工程で出る切れ端などでも筆記用具としてなら使用できるので、エコにもなりますよね。安価で仕入れる分、お客さまにはお求めやすい価格で提供しています。

-なるほど、銘木は貴重ですしね。木を持ち込むこともできるのですか。

はい。お客さま自身が思い入れのある木を持ち込まれることもあります。これまで、長崎の方からは150年使ってきた仏壇に使われていた木材での製造注文があり、ペンを9本作りました。大変喜ばれましたね。

-それはいいですね。

明治に建てられたお寺で使われていた木を持ち込まれた兵庫の住職さんもおられましたし、北海道の船員さんが思い出のあるデッキとして使っていた木で家族にペンを作ってほしいと来店されたこともありました。

-形を変えて残すことができるというのがいいですね。

そうですね。そのような店はあまりないようで、インターネットなどで情報を見つけられて、遠方からもお越しになります。1つの木材で何本も作っていかれる方も多いですよ。プレゼント用としてラッピングも承りますし、友人が手作りしている桐箱(2,000円)に入れてご提供することもできます。外注になりますが刻印もできます。

-製造をお願いするだけでなく、自分で体験して作ることもできるそうですね。

はい、ここでは主に自分で体験してもらいたいと考えていました。銘木を使って木工体験できるは珍しいと思います。

-体験にはどのくらい時間がかかりますか。作業工程も気になります。

製造する作業は30分程度ですが、多くの方が部品と木材選びに悩まれます。私からは良い木や珍しい木を提案しますが、木だけ見せても良さが伝わらないので完成形のツヤや木目を実際に見てもらいながらご説明します。

作業としては、まずお客さまには粗削りをしてもらい、太さなどの調整や仕上げを私が行った後は、7種類のペーパーを順番にかけてもらいます。だんだんと目の細かいペーパーに変えると光沢が出ます。最後はワックスを兼ねた保護材2種類でコーティングするのですが、ここで一気に色味が変わり、みなさん同じタイミングで感動されますね。木によって磨き方や削り方が微妙に違うので、本当に奥が深い世界です。

-それは楽しそうですね。これまでに何人ぐらいが体験されましたか。

50人ぐらいですね。工房はガラス張りで中が見えるので友人同士で体験しに来ても、待っている間が退屈ではありません。夏休みの課題として小学生も挑戦してくれました。体験後には記念写真を撮らせてもらい、店内に飾らせてもらっています。

失敗するのを心配する人もいるのですが、万が一失敗しても新しい木材を無料で提供するので安心してください。私自身も最初の頃は木が割れてしまったり、完成したと思ったら部品と合わなかったことがありました。100本くらいは失敗したんじゃないかな(笑)。今は試行錯誤の甲斐あって、ピカピカに磨き上げることができるようになりました。その経験も生かして、お客さまには丁寧に指導させていただきます。

-体験を通じて木の魅力や木工の楽しさを感じてもらいたいですね。

体験後の記念写真を見ると良い笑顔ばかりなんです。これからも多くの人にご来店いただき、喜んでもらいたいですね。

-とても興味深い話を聞けました。私も近いうちに体験しに来たいと思います。本日はありがとうございました。

ぜひお越しください。こちらこそ、ありがとうございました。

くすのき工房
山口市宇部市新天町2-8-6
TEL:090-7898-1357
代表者:結城静雄

くすのき工房

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