宇部のスポーツジム「ゴールドジム山口宇部」(宇部市東岐波、TEL 0836-59-1146)が3月、現役レスリング選手を講師に招き、レスリング競技に本格進出した。
昨年9月、「キッズ格闘技」の一環としてレスリング教室を開講した同ジム。これまで外部コーチを招いていたが、今回、現役レスリング選手の日坂侃生(つよき)さんを新講師に迎えた。
山口県内では子どもにレスリングを教えている場所が少なく、大学などが奉仕活動の一環でスクールなどを開いているのが現状だったことから、同ジムを運営する山口産業(琴芝町1)が環境整備に乗り出した。
今春、中央大学を卒業した日坂さんは山口出身で現在24歳。山口県鴻城高校1年のときにレスリング部の顧問に誘われたことをきっかけに入部し、高校3年の時には初の全国大会で3位となった。大学進学後に出場した「全日本選手権」や「全日本選抜選手権」では、毎年ベスト5以内に入る実力の持ち主で、現在もフリースタイル125キロ級、グレコローマンスタイル130キロ級に出場する。
3月16日付で同社に入社した日坂さん。日中は営業部の一員として業務仕事を行い、毎週月曜・木曜に小中学生を対象に基本的な体作りからタックルの練習などを90分間指導する。
日坂さんは「これまで夢中でレスリングをしてきて、結果が出ずに悔しいこともあったが、気が付けば自分の好きなことになっていた。好きなことが仕事になってうれしい。選手を育てることも大事だが、競技するのに必要な相手を敬う心やレスリングの楽しさを伝えていきたい」と話す。
選手としては、今年6月に行われる「全日本選抜選手権」に出場を予定している。「まだまだ選手としても活動し、東京五輪の代表選考に絡みたい。レスリングを通して、地元に貢献し、恩返ししていきたい」と笑顔を見せる。