伝統的建造物の町並みが残る萩・浜崎地区に5月25日、「中村船具店むらやカフェ」(TEL 0838-22-0399)がオープンした。
明治20年代から続く老舗「中村船具店」を経営する宮田保文さん・理恵さん夫婦が店舗を改装して開いた。江戸時代に建設された商家の造りはそのままに、店内に漁船用ランプや羅針盤など昔ながらの船具を展示。レコードなどの音響設備にもこだわり、純喫茶のようなレトロな雰囲気を醸し出す。
観光客や地元住民向けのモーニング需要を見込み朝8時から営業。レギュラーコーヒー(400円)や地元パン店のパニーニのセット(680円)のほか、「あんバター&コーヒーセット」(600円)などの軽食や萩特産の「むつみの豚カレー」(800円)など、「手広くしすぎず自信があるメニューだけを提供する」(理恵さん)。
保文さんは「浜崎は、城下町周辺や松陰神社などいわゆる『定番』の観光に飽きた『マニアックで旅慣れた』方がよく訪ねてくれる所。マニアックな土地ゆえに伝建地区であることもなかなか知られていない。コロナ禍が収束すれば、観光客と地元住民がローカルな話題で会話ができるようなプラスアルファの観光が楽しめる店にしたい」と意気込む。
理恵さんは「かつては萩城下の港町として栄えた浜崎も今や人通りがすっかり減ってしまった。地域のコミュニケーションの場があったらいいなと数年前から構想していた。地区内で飲食店やホテルのオープンなど地域活性化の新しい動きも広がりつつある。さらに地元がにぎわいを取り戻すきっかけとなれば」と笑顔を見せる。
営業時間は8時~16時。木曜定休。