萩で水産物の製造販売を手がける「五つ星はぎ」(萩市椿、TEL 0838-21-5755)が7月15日、開業して3カ月を迎えた。
2024年3月末で閉業した干物加工販売会社から技術や従業員を引き継いだ同社。閉業が決まった際に「萩の魚と雇用を守りたい」と立ち上がった児玉崇志社長が起業し、萩焼窯元があった場所に魚の製造加工場や梱包部屋、冷凍冷蔵庫、事務所の複数棟から成る工場を新設した。児玉社長は「技術があり一緒に成長できる仲間とともに、萩の水産物に革命を起こしたい」と話す。
児玉社長がこだわったのが、引き継いだ干物の味と加工方法。機械加工ではなく手作業で魚を1匹ずつさばくことで、魚の身を多く残して厚みのある仕上がりにする。「アジの干物は1日冷蔵庫に入れることで熟成し、身が締まるので食べ応えがある」(児玉社長)。みりん干しに使用する醤油は、萩の「殿さましょうゆ」を製造する松美屋醤油から仕入れ、甘辛な味に仕上げる。
製造するのは、「アジのひらき」(3尾250円)、「アジのみりん干し」(4尾300円)などの干物や丸干しを主にするほか、「萩の釣り甘ダイのひらき」(小・1尾1,000円)、「剣先イカの一夜干し」(1枚600円)など旬の魚を使用した商品など。
販売は、萩・長門市内の小売店7店舗を中心に県内のスーパーで行うほか、工場でも直売する。児玉社長は「お客さんから『美味しかったよ』と感想の電話もあり、とても励みになっている」と笑顔を見せる。
「社名には、社員、取引先、顧客、地域、次世代につなぐ未来、の5つの輪を大切にしたいという思いを込めた。出過ぎた杭になることで革命を起こしたい。お客さまの声を励みとし、将来的には萩の名産になれるように従業員の皆と歩んでいきたい」と意気込む。
工場直売の営業時間は8時30分~15時。日曜定休。