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山口・阿知須で「寒漬け」作り最盛期 受け継ぐ伝統、人気の味復活目指す

寒漬けを生産する「あぐりてらす阿知須」の長尾進さんと長尾智美さん

寒漬けを生産する「あぐりてらす阿知須」の長尾進さんと長尾智美さん

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 山口市阿知須の特産品「寒漬け」作りが最盛期を迎え、冬の風物詩である大根が干された風景を見ることができる。

現地視察会の様子

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 「寒漬け」は、冬の寒い時期に干した大根を半年以上熟成させ、しょうゆベースの調味液に漬け込んだ漬物。独特の発酵臭とコリコリとした食感が特徴で、古くから阿知須地域で生産され、かつては各家庭でも作られていたが、現在では3件の農家が生産・販売を行っている。

 1月21日には、山口市の生産者らで作るグループ「南部地域特産品開発会議」が、寒漬けを生産する農家「あぐりてらす阿知須」(長尾誠大代表)で現地視察会を行った。

 「あぐりてらす阿知須」は、市販品の「寒漬け」のほとんどを生産していた「中尾元治漬物店」が約10年前に廃業し、器具などを譲り受けたことをきっかけに寒漬けの生産を始めた。

 加工事業部長の長尾智美さんは「前生産者の中尾さんが亡くなってしまい、調味液のレシピを受け継ぐことができなかったため、地域の方々に試食してもらいアンケートを取るなどして、あの味に近づけるよう努力している。独特の食感や香りを残すために、無添加の原材料を使うことがこだわり」と話す。

 商品は、甘辛い味付けの寒漬けと、甘さ控えめの寒漬けの2種類で、現在は「道の駅きららあじす」のみで販売している。1袋500円。

 長尾さんは「最初はお土産用に寒漬けを作り始めたが、地元の方々にも普段の漬物として食べてもらいたい。阿知須では本来の甘辛い味付けが好評だが、他の地域では甘さ控えめが受けている。今後は唐辛子や柚子、ゴマなどの味のバリエーションを増やすことにもチャレンジしたい」と話す。

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