山陽小野田市厚狭駅前の老舗旅館「二反田旅館」(TEL 0836-72-0271)が7月16日、リニューアルオープンした。
旅館・居酒屋・仕出しなどを行う1900(明治33)年に創業し、昨年120周年を迎えた同旅館。設備の老朽化に伴い外観から玄関周り、1階の居酒屋など旅館施設の一部を改修・改装した。
リニューアルのきっかけについて、同旅館五代目の杉浦祐司社長は「15年ほど前から一新したいと考えてきた。21年間、妻と経営してきて、やっと自分たちがやりたいことが固まり、状況などのタイミングが合ってリニューアルすることができた。コロナ禍であるからこそ、新しくすることに踏み切り、飲食店を営む人や皆が頑張っている今、少しでも地域活性化に貢献し、町を盛り上げることができたら」と話す。
旅館全体の敷地面積は約300坪。1階の居酒屋の店舗面積は53坪。カウンター5席、掘りごたつの座敷席・テーブル席の全35席を設ける。改装した店内は昔ながらの和のデザインと現代の融合を感じてもらえる明るい雰囲気に仕上げ、若い世代の来店増加も見込む。これまでの利用は、地元客や出張客など30代~60代の男性客が多かったという。
リニューアルに合わせ、宮崎産「みやざき地頭鶏(じどっこ)」と「宮崎赤どり」を中心とした料理にメニューを刷新。魚は唐戸市場から直接仕入れ、野菜は地域の農家から仕入れた有機野菜を使う。看板メニューは、みそ味の「もつ鍋」(1人前1,320円)で、県外からの利用客にも好評だという。
併せて、人気が高いという「厚熟だしまき」(660円)などの焼き物7種類、「ほたるいかの塩辛」(462円)などおつまみ8種類、サラダ、「二反田特製唐揚げ」(660円)などの揚げ物10種類、「昔ながらの焼き飯」(605円)などのご飯もの7種類も提供する。
日本酒は、山口の地酒を取り扱い、従来の8種類から約20種類に増やした。季節のクラフトビールも新たに用意する。ワインは、白・赤各3種類、スパークリングワイン2種類、季節のワインを提供する。ビール、ハイボール、焼酎、チューハイ、ソフトドリンクなどもそろえる。
8月初旬から金曜・土曜限定で、毎年恒例の屋上でのビアガーデンを開始する予定だという。用意するビアガーデン専用メニューは卓上の水コンロで楽しめる。団体の場合は予約を薦めたいという。
杉浦さんの妻・美由紀さんは「野菜を中心にしたお通しや箸休めの料理は私が手作りしている。お客さまに少しでもほっこりしてもらえれば。マクロビオティック料理に携わって10年以上になるが、秋ごろには、同料理の提供や、居酒屋内に併設した『物販ブース』で居酒屋で使用する食材や調味料などの販売も行う予定。身近に買える場所ができることで、健康食への関心を持つ人が増え、輪が広がってほしい。女性のお客さまでも気兼ねなく入れて、安心安全で体に優しい料理が食べられる旅館・居酒屋として居心地の良い空間が提供できたら」とほほ笑む。
居酒屋の営業時間は18時~23時。日曜定休。