「山口県美術展覧会」-広島在住の美術家による連作絵画が大賞に

大賞に選ばれた范叔如さんの作品「Landscape 1~6」

大賞に選ばれた范叔如さんの作品「Landscape 1~6」

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 山口県立美術館(山口市亀山町)で10月7日、「第62回山口県美術展覧会」の審査結果発表が行われ、広島市在住の美術家・范叔如さん(47)の作品「Landscape 1~6」が大賞に輝いた。

昨年度大賞の吉村芳生さん新作

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 山口県在住の作家を中心に作品を公募し、公開審査のもとで大賞と優秀賞を選定する同展。工芸、絵画、写真、書など、ジャンルを超えた審査が特徴のユニークな公募展として知られる。今年は、全国から寄せられた479点の中から入賞作品29点、入選作品147点が選ばれた。

 大賞に選ばれた范さんの作品「Landscape 1~6」は、陸地から海を眺める風景が描かれた6点の絵画から成る連作。美しい海の風景画に見えるが、作品には中国潜水艦の運航、岩国の米軍基地、訓練中の戦闘機など、何か危険を暗示するようなモチーフが描かれている。展示方法にもこだわり、6点の作品の下辺をそろえるように平行に並べ、額は1点1点違う装飾が施された金色の古いタイプの額が使用されている。

 優秀賞には、岡山県倉敷市の石井みつこさんによる絵画「イノチミジカシコイセヨオトメ」と「そのゆくさきは 2」、山口市の岡田隆志さんによるCADを使った立体作品「Part of Mine」、山口市の岡本よしろうさんによる大きなスケールの絵画「ビーム」、山口市の実川久美子さんによる磁器作品「ぺっこん ぽっこん」、長門市の永田恭章さんによる布を使った作品「腐った心の棘」が入賞した。

 入賞・入選作品176点は、9日から同館で一般公開される。昨年度大賞を受賞した吉村芳生さんによる新作「2008年ケシと自画像を描き続けた日々」も展示。入館料は、一般=250円、学生=200円。開館時間は9時~17時。14日・20日休館。10月26日まで。(©マルニ)

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