山口で新スタイルの建築展-気温などの環境情報を建築物にして投影

リアルタイム映像と重ね合わせてスクリーンに映し出される「情報建築体」

リアルタイム映像と重ね合わせてスクリーンに映し出される「情報建築体」

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 山口情報芸術センター(山口市中園町、TEL 083-901-2222)で10月13日から、メディアテクノロジーを駆使した新しいスタイルの建築展「Corpora in Si(gh)te(コーポラ・イン・サイト)」が開催されている。

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 同展は、建築ユニット「doubleNegatives Architecture(ダブルネガティヴス・アーキテクチャー)」による新作インスタレーション。同センター前の中央公園に30個、同センターの屋根に10個のセンサーを設置し、気温、明るさ、風向、音、人の動きなどの情報を集め、そのデータをもとにコンピューター上で「情報建築体」を作り出すもの。この「情報建築体」はセンサーが受ける環境情報によって成長、減退していき、その成長する様子をスタジオBに設置された横12メートル×縦3メートルの大型スクリーンで映像として見ることができる。

 スタジオBには、2つの大型スクリーンが設置されており、2種類の映像が映し出されている。1つは、同センター周辺の3カ所のライブカメラから撮影されているリアルタイムの風景と重ね合わせて映し出される「情報建築体」。もう1つは、作り出される建築体に複数の目があるという仮定で、外部からではなく、建築体内部の視点がどのように見ているかを線で表現した映像も投影される。いずれもスタジオB中央に設置されたモニターに触れることで、自分で視点を動かすことができる。

 同ユニットは、建築家の市川創太さんを中心として1998年に結成されたもので、ハードウエア、ソフトウエアの技術を駆使し、多様なメディア、プラットフォームを横断しながら建築のビジョンを提案している。実際に建築物を建てるだけではなく、建築そのものに新たな考えを持って活動しているユニット。

 同センター広報担当の小滝友見子さんは「環境情報を取り込んでコンピューターが計算し、構造物を創り上げるので、どんな形になるのかは分からない。構造物の形が生き物のように変化していく様子を見てもらえれば」と話している。

 開館時間は12時~19時。火曜・12月29日~1月3日休館。入場無料。1月13日まで。

「Corpora in Si(gh)te(コーポラ・イン・サイト)」オフィシャルサイト山口情報芸術センター(YCAM)関連記事(山口経済新聞)-初日にアーティストトークも(©マルニ)

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