坂本龍一さんと高谷史郎さんの作品展でギャラリーツアー

暗闇に浮かぶ水の入った透明な箱に映し出される映像を眺める参加者

暗闇に浮かぶ水の入った透明な箱に映し出される映像を眺める参加者

  • 0

  •  

 山口情報芸術センター(山口市中園町、TEL 083-901-2222)で3月24日、「坂本龍一+高谷史郎 新作インスタレーション LIFE-fluid, invisible, inaudible ...」のギャラリーツアーが開催された。

[広告]

 ギャラリーツアーは、作品鑑賞後に意見交換を行うもので、作品について参加者それぞれが感じたことを共有するのが特徴。通常は一般客が入ることのできないスタジオAの3階部分から作品を見下ろす時間も設けられた。参加者からは「宇宙空間にいるような錯覚」「人間の心の中を感じる」など、作品に対するさまざまな声があがった。

 作品は、音楽家の坂本龍一さんと映像クリエーターの高谷史郎さんのコラボレーションによる新作インスタレーション。暗闇になった約400平方メートルのスタジオ空間に、9個の透明な箱が床から2.5メートルのところに浮かんでいる。水が入った箱に霧を発生させる装置が備え付けられ、空や数式、戦争などの多様な映像を投影。同時に、さまざまなサウンドが流れ、映像とコラボレーションした作品となっている。

 20種類の映像と30種類のサウンドが組み合わされて、作品が形成される。1種類の映像の中にも何十種類ものパターンが存在し、合わせて400パターンの映像ファイルがあるという。また、映像とサウンドはランダムにつながっているため、同じシーンには滅多に出会えない。同センター教育普及スタッフの会田さんは「1時間いても4~5パターンくらいしか見られないのでは」と話している。

 会場では、クッションやひざ掛けを貸し出しており、座ったり、寝っ転がって見てもかまわないという。実際に、坂本龍一さんが3月10日に同センターへ訪れた時には、真っ暗な同スタジオの隅で寝っ転がって来場者の反応を見ていたというエピソードも。会田さんは「見る人によって作品の捉え方が違うのがおもしろい。その日の気分によっても変化や発見がある。膨大なパターンがあるので、何回も見て、違う印象を楽しんでもらえれば」と話している。

 ギャラリーツアーは4月7日、21日、29日、5月5日、19日に行われる。各回とも14時から約45分。参加無料。当日の13時30分までに同センター受付まで直接申し込む。作品の鑑賞時間は12時~20時(入場は19時30分まで)。5月28日まで(火曜休館)。

坂本龍一+高谷史郎「LIFE - fluid, invisible, inaudible ...」公式サイト山口情報芸術センター関連記事(山口経済新聞)(©マルニ)

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース