中原中也記念館、常設テーマ展示替え-詩集出版までの奮闘ぶりを紹介

直筆の日記や詩の原稿を交えながら、構想から刊行までを紹介している

直筆の日記や詩の原稿を交えながら、構想から刊行までを紹介している

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 中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430)で2月10日、中原中也が自らの手で出版した詩集「山羊(やぎ)の歌」の構想から刊行までの道のりを紹介する常設テーマ展示「『山羊の歌』まで」が始まった。

装幀は高村光太郎

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 詩人・中原中也は「山羊の歌」「在りし日の歌」の2冊の詩集を残したが、中也自らの手で出版したのは「山羊の歌」のみ。今回の展示では、中也の早過ぎた死によって結果的には生前唯一の詩集となった「山羊の歌」が出版されるまでに至る過程と中也の奮闘ぶりを中心に「山羊の歌」の世界を紹介している。

 展示では、構想から刊行までを大きく4つの時期に分けて紹介。詩集のタイトル案らしきものが書き記された1927(昭和2)年当時の日記などを展示した「詩集の構想」のほか、編集作業にあたった「編集に着手」、出版費用の捻出や出版社が決まるまでに約2年間を費やした「中也奔走」、同誌集が刊行された1934(昭和9)年を「『山羊の歌』刊行」として、関係資料やかかわった人物の証言などを展示している。

 章題や詩篇の配置、本文のレイアウトなど細部にまでこだわり、初の詩集刊行に向けて並々ならぬこだわりをもって編集にあたったことを裏付ける資料とともに、出版社が決まるまでの奔走ぶりなどを紹介することで、中也の思いとは裏腹に刊行までの道のりが順風満帆ではなかったことがうかがい知れるよう工夫した。

 同館では、1年ごとに決まったテーマを設けることで中也の詩の世界をより深く探求していく常設テーマ展示という展示方法採用しており、展示替えは今回で7回目。

 入館料は、一般=310円、大学生=210円、小・中・高生=150円。開館時間は11月~4月=9時~17時、5月~10月=9時~18時。月曜・毎月最終火曜休館。2011年2月13日まで。

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