昨年12月4日にアフガニスタンで銃撃され亡くなった医師の中村哲さんの追悼写真展が現在、宇部市立図書館で行われている。
中村さんは1946(昭和21)年福岡県生まれで、国内病院の勤務を経て1984(昭和59)年にパキスタン北西のペシャワールに赴任。パキスタン人やアフガン難民のハンセン病治療や一般診療、貧困層への医療活動を続け、アフガン全土の干ばつが深刻化した2000年以降は、「100の診療所より1本の用水路を」との思いから飲料水・灌漑(かんがい)用井戸事業や農村復興のための水利事業にも携わってきた。
主催はペシャワール会宇部支援グループ・ビエラの会。同会は、中村さんやペシャワール会の活動を伝える写真展を過去に3回開いており、これまで中村さんが撮影した写真を展示してきたが、今回は中村さん自身が写っている写真を中心に展示する。
写真展では、現地での医療行為や井戸掘りの様子、灌漑用水路建設や植樹による干ばつ対策活動などのほか、現地で建設した「マドラサ」(地域の文化センターや福祉施設を兼ねた施設)や「モスク」(イスラム教の礼拝堂)についてなど約120枚の写真を解説文付きで紹介する。
会場内では、ペシャワール会が作成した中村さんのドキュメンタリービデオを常時再生するほか、1月11日には、昨年11月16日に東亜大学(下関市)で行われた生前最後の講演会「アフガニスタンに生命の水を」のビデオ録画映像上映も行う。上映時間は13時30分と15時30分の2回。
ビエラの会代表の湊さんは「パキスタン・アフガニスタン地域のために、無私の活動を35年も続けてきた中村先生が亡くなったことはとても残念。今回の写真展を通じて、誰にとっても希望だった中村先生の活動を引き継ぐための支援に興味を持ってもらえれば」と話す。
開場時間は9時~19時(最終日は16時まで)。1月12日まで。問い合わせはビエラの会代表湊さん(TEL 090-3081-1724)まで。