宇部の社会医療法人「いち樹会 尾中病院」(宇部市寿町1、TEL 0836-31-2133)が3月2日、移転後の外来診察をスタートした。
1946(昭和21)年に、初代理事長・尾中正春さんが診療所として開業。常盤町の旧レッドキャベツの向かい側のビルから、宇部市役所近くに移転した。
建物は、鉄筋コンクリート造の6階建てで、延べ床面積8074平方メートル。1階が外来や通所リハビリテーション、地域連携室、健診センターなどで、2階は手術室や薬剤部など。3階は一般病棟(地域包括ケア病床=46床、地域一般病床=14床)。4階に療養病棟(50床)やリハビリ室、5階に介護医療院(60床)、6階の屋上には「リハビリ庭園」を設ける。
今回の移転に伴って、行政や医師会、山口大学医学部付属病院などと連携して地域包括ケアシステムを構築する「地域のハブ病院」としての機能を強化。要介護高齢者向けの介護医療院を県内で初めて新設するほか、近隣地域の診療所からの救急受け入れなど地域ネットワークの強化も目指す。
同院理事の室田義文さんは「各フロアのイメージカラーや動線についてなど、職員の意見が反映されたものになっている。移転計画が始まった平成25年に『チャレンジ25』という取り組みを行い、職員全員が参加することで自主的になったり、職場環境が良くなったりと働く側にも良い変化があった。今年は働く上でのモチベーションを上げるために、目標を定めてのトライアル運営の開始なども計画している」と話す。
「当院はこれまで『病』を中心に向き合ってきたが、これからは『いきる』ことを応援すべく理念を改め、法人名の改名やロゴの刷新などを行った。地域の方々が『きやすい(来やすい・気安い)、いやすい(居やすい、癒やすい)、話しやすい(悩み・不安の解消)』という病院を目指している。困った時には気軽に相談してもらいたい」とも。
診療時間は9時~12時、13時30分~17時。土曜午後・日曜・祝日休診。