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長門・湯本温泉の「恩湯」が刷新 シンボル復活、地域の若手が継承

営業再開した長門・湯本温泉の「恩湯」

営業再開した長門・湯本温泉の「恩湯」

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 長門・湯本温泉の公衆浴場「恩湯(おんとう)」(長門市深川湯本、TEL 0837-25-4100)が3月18日、リニューアルオープンした。

湯船の底から源泉が自噴する浴槽

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 約600年の歴史があるといわれる恩湯は、山口県で最も古い歴史を持つといわれる湯本温泉のシンボル。2017(平成29)年5月に施設の老朽化や利用客減少などの理由から市営事業を終了したが、建て替えと運営を担うために、地域の若手などで結成する「長門湯守(ゆもり)」が経営を引き継いで再建プロジェクトを進め、営業再開を果たした。

 建物は景観を遮らない平屋造り。延べ床面積は約325平方メートル。岩盤から自然に湧き出る39度の源泉の真上に立つ。施設内に併設した休憩スペースは三方ガラス張りの開放的な空間で、温泉街を流れる「音信川(おとずれがわ)」を眺めることができる。

 温泉は源泉掛け流し。わき出す源泉の真上に浴槽があることから「足元湧出温泉」と呼ばれ、一度も空気に触れていない源泉に浸かることができる。

 一般的な浴槽の深さは約60センチだが、恩湯では最も深い所は1メートルある。これは以前の恩湯を継承して再現したもので、深湯によりマッサージ効果を高める効果があるという。浴槽をあえて狭い造りにし、加水したり別の源泉から引いたりすることなく自家源泉だけで満たすことで、なるべく酸化させずに提供することにもこだわる。

 オープン後最初の3連休には延べ約1100人の入館者があった。昔ながらの常連客からは「前回の建て替えよりも前の『昔の恩湯』に戻った。硫黄の匂いも強くなった」などの声が寄せられているという。

 スタッフの大谷香代さんは「温泉大国と呼ばれる日本の中でも、恩湯は入浴時に岩盤から湧き出るお湯を見ることができ、源泉が浴槽に直接入る珍しいもの。泉質がとても良いので多くの人に楽しんでほしい」と話す。

 営業時間は10時~22時。入浴料は、大人(中学生以上)=平日700円、土曜・日曜・祝日800円、特定日(年末年始、お盆、GWなど)900円。小人(3歳以上)=400円。3歳未満無料。毎月第3火曜日定休。

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