不可視のデータを視覚・聴覚的に表現-池田亮司さんがインスタレーション展

「data.film(データ・フィルム)」©Ryoji Ikeda

「data.film(データ・フィルム)」©Ryoji Ikeda

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 山口情報芸術センター(山口市中園町、TEL 083-901-2222)で3月1日から、日本を代表する電子音楽作曲家・アーティストの池田亮司さんによる新作インスタレーション展「datamatics(データマティクス)」が開催されている。

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 同展は、情報として現れる前の膨大な不可視のデータの知覚化、美学化、形式化を探求するプロジェクト「datamatics」から、「data.tron(データ・トロン)」「data.film(データ・フィルム)」「test pattern(テスト・パターン)」の3作品を同時公開するもの。池田さんの個展としては世界初。

 「data.tron(データ・トロン)」は、微細なサウンドとともに、数字やデータの組み合わせによって構成される映像を、真っ暗な空間に設置された横10メートル×縦7.5メートルの巨大なプロジェクション画面に映し出すオーディオビジュアル・インスタレーション。

 「data.film(データ・フィルム)」は、35ミリフィルムによるインスタレーションで、フィルムに微視的限界レベルまで精緻にプリントされた約6万ケタの数字が並ぶ。幅10メートル×高さ4センチ×奥行5センチの作品。

 「test pattern(テスト・パターン)」は、サウンドからリアルタイムに変換され、生成される視覚パターンを、暗闇の中に一直線に配置された8台のモニターに映し出すもの。毎秒数百フレームを超えるほど高速に変化することで、装置に対しては動作性能テストを、見る人にとっては知覚認識の限界を試す空間的実験作品。同センターの委嘱作品で、世界初公開。

 池田さんは、コンピューターによる先端的音楽表現で世界をけん引する第一人者で、アーティストグループ「ダムタイプ」のメンバーとしての活躍でも知られている。池田さんは「音楽は説明して伝えるものではなく、『聴く』という体験がすべて。この作品も音楽と同じように、作品そのものを鑑賞してほしい。見たままがすべてで、答えは全部作品の中に入っている」と話す。

 開館時間は、月曜~金曜=12時~19時、土曜・日曜・祝日=10時~20時。火曜休館。入場無料。5月25日まで。

池田亮司 新作インスタレーション展「datamatics」オフィシャルサイト山口情報芸術センター(YCAM)クルマに乗って体験するドライブ作品を映像・音・データで展示山口で新スタイルの建築展-気温などの環境情報を建築物にして投影坂本龍一さんと高谷史郎さんの作品展でギャラリーツアー坂本龍一さんと高谷史郎さんがコラボ-新作インスタレーション展(©マルニ)

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