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宇部「恩田プール」が営業終了 老朽化の市民プール、61年の歴史に幕

61年間親しまれてきた「恩田プール」

61年間親しまれてきた「恩田プール」

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 宇部の市民プール「恩田運動公園水泳プール」(宇部市恩田町4)が8月31日、営業を終了した。

親子連れに人気だった「幼児用プール」も終了

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 1958(昭和33)年に山口国体の水泳会場として整備された同プール。屋外に50メートルプールと25メートルプール、幼児用プールの3種類を備え、「恩田プール」として61年間にわたり市民の夏の憩いの場として親しまれてきた。

 営業終了は、設備の著しい老朽化により現状での使用が難しいことや、市が掲げる恩田運動公園一帯のにぎわい創出案「恩田スポーツパーク構想」が進められていることなどから。既に取り壊しが決まっており、市民からは惜しむ声も寄せられているという。

 今季は7月1日~8月31日に、延べ1万5215人が利用。約8割が親子連れで、2割が学生や一般客。8月の3連休が最多で1日に500人を超える利用があったという。今年は気温上昇や台風の影響で例年に比べて営業日数が少なく、「利用者数が昨年比で20%は落ち込んでいる」(同プールを管理する宇部市体育協会の上野豪之さん)という。

 「10年ほど前までは、水泳の中国地方大会や県大会など大きな大会も行われており、学生が多くとても活気があった」と上野さん。「『寂しいね』や『古いから仕方がない』と声を掛けられることも多かったが、無事に大きなトラブルもなく最後の営業を終えることができた」と安堵(あんど)の表情を見せ、「最後まで親しんで利用いただき感謝の思い」と話す。

 市は「市民プールの必要性」について、市内小中学校や一般市民に行ったアンケート調査を集計し、10月をめどに今後の考え方を示す方向だという。

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