山口在住・造形作家、人気コミック「BASTARD!!」表紙で作品起用

毒島さんが作った造形物(写真右)とカバーをはずした状態の立体アート表紙(写真左)

毒島さんが作った造形物(写真右)とカバーをはずした状態の立体アート表紙(写真左)

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 6月20日に発売されたコミック本「BASTARD!!(バスタード)完全版 6巻」(集英社刊)の表紙に、山口市在住の造形作家・毒島孝牧さんの作品が起用されている。

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 「BASTARD!!」は、「週刊少年ジャンプ」や「ウルトラジャンプ」で長期連載されている萩原一至さんによるダークファンタジー漫画。「BASTARD!!完全版」は愛蔵版コミックスとして2000年12月に第1巻が登場し、現在第6巻まで発行されている。

 完全版はB5判、約350ページのボリュームで、特別描き下ろしカバーの下に、さらに表紙があり、造形作家によるフィギュア作品を使用した立体アートの表紙が特徴。毎回違う造形作家を起用しており、第6巻に山口市在住の毒島孝牧さんの作品が使用された。兜や鳥居など東洋的なモチーフを取り入れ、女性が兜を封印するイメージを表現したという。

 毒島さんは、「ブスジマックス」という工房名でフィギュアの原型造形師として活動。何もない状態から、粘土やパテなどを材料に盛ったり削ったりして、映画やアニメのキャラクターフィギュアの原型を作る。商品となるフィギュアは、この原型をもとに工場で大量生産される。原型制作は2カ月に1個のペースで制作する、とても緻密で手間のかかる作業だという。

 毒島さんは、子どものころ、ガンダムがきっかけでプラモデル作りを始めた。中学生になると、人形を改造して作品を作るコンテストに出品するようになり、賞をもらったことも。社会人になってからは仕事をする傍ら、仲間とフィギュア制作するグループ「S.A.E」を結成し、年2回イベントで作品を発表していたところ、いろいろな会社から仕事の声がかかるようになり、副業としてフィギュア制作の仕事も少しずつ受けるようになった。毒島さんは岡山県出身だが、妻が山口市出身だったことから、造形の仕事を本業にして山口で暮らすことを決意。2006年12月から自宅内の工房で作品制作を行っている。

 これまでにアメリカのヒーロー映画や日本のアニメキャラクターのフィギュア原型制作などを手がけ、商品化されてきた。地元に密着した仕事としては、商店街のヒーロー番組「CP戦士 ぶちエージャー」ストラップの原型も毒島さんの作品。

 毒島さんは「『BASTARD!!』の作品は構想に時間がかかった。造形師として、漫画や映画の二次創作物としての仕事ではなく、自分のオリジナル作品の仕事で名前が表に出ることが夢」と話している。今年の秋には、初の作品展を山口市内で開催する予定。

商店街キャラ「ぶちエージャー」フィギュアストラップ-山口CATV(山口経済新聞)ブスジマックスS.A.E(©マルニ)

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