食べる

萩の老舗かまぼこ店がカフェ併設 「はぎかまバーガー」販売主力に

リニューアルした「忠小兵衛蒲鉾本店」

リニューアルした「忠小兵衛蒲鉾本店」

  • 19

  •  

 1855(安政2)年創業の老舗かまぼこ店「忠小兵衛蒲鉾(ちゅうこべえかまぼこ)本店」(萩市椿、TEL 0838-22-0457)が7月4日、店舗リニューアルに伴いカフェ「はちのたね」を併設オープンした。

同店が提供する「はぎかまバーガー」

[広告]

 8代目への代替わりを機に、当主の長谷朗さんと同店の田中麻依子さん、麻依子さんの夫で熊本から移住した田中真司さんを中心に新ブランド「はちのたね」を立ち上げ、店名にした。「8代目」であることと「次世代への種まき」の意味も込める。

 炭火焼き製法で作る伝統的な「焼き抜きかまぼこ」の販売は継続する。カフェでは、かまぼこカツを挟んだ「はぎかまバーガー」(465円)や、パン生地ですり身を包んで揚げる「はぎかまロール」(プレーン=230円、チーズ・夏みかん=250円)など、アレンジメニューが楽しめるほか、同店オリジナルブレンドのコーヒーやノンカフェインティーなどドリンクメニューも豊富にそろえる。

 「はぎかまバーガー」と「はぎかまロール」はこれまで、萩市内の祭りなどで限定販売し、好評を得ていたという。コロナ禍でイベントの中止が相次ぎ、提供する機会がなくなっていたことから、レギュラーメニューに据える店の出店に踏み切った。

 当主・長谷さんは「萩市内の学校が休校となった際にはデリバリーを行った。かまぼこ店として何かできないかを模索し続けてきた。練り物の消費が激減しているが、誇りをもってかまぼこの良さを伝えていきたい。伝統を大切に守りながらも変えるべきところは変え、誰でも来店できるような店を目指した」と話す。

 麻依子さんは「魚のうま味が詰まったかまぼこは、何してもおいしいことを知ってほしい。原料のエソのだしを生かしたスープなど、食品ロスの解消にも目を向けた。地元野菜を使い、農家さんの顔が見える安心もお届けしたい」と笑顔を見せる。

 真司さんは「かつて歴代の当主たちは余ったかまぼこを配って回ったり、店の前を通る子どもたちにあげたりしていた。その時の子どもたちが、今はおじいさん、おばあさんになったが、今でも来店してくれている。根底にある『忠小兵衛らしさ』はぶれることなく、昔からの常連さんと若い世代が同じ空間で交わり、さらに次の世代につながるような循環を大切にしたい」と話す。

 営業時間は10時~18時30分。火曜・水曜定休。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース