宇部でイラン出身アーティストの展覧会-宇部に好意、作品寄贈・寄託も

りんごとバラが交互に並ぶインスタレーション作品

りんごとバラが交互に並ぶインスタレーション作品

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 宇部・ときわ公園内の「ときわミュージアム」(宇部市野中3、TEL 0836-37-2888)で11月1日より、「ホセイン・ゴルバ 時を彫る」展が開催されている。

熱帯植物温室で滝に打たれるオブジェ

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 同展は、イラン出身で東京在住のアーティストであるホセイン・ゴルバさんによる絵画、彫刻、インスタレーションなど40点の作品を展示する展覧会。湖水ホール、企画展示室、熱帯植物温室の3カ所で作品を展示する。

 ゴルバさんは、2006年に山口県で開催された国民文化祭で、宇部市民と一緒に制作したオブジェ「光の梵鐘」を発表。それがきっかけとなり宇部市に好意を持ち、今年度、宇部市に51点の作品を寄贈、11点を寄託した。

 インスタレーション作品「時間の彫刻XII キリストの孤独」は、生きる時間を表現した作品で、照明を落とした空間の中央に置かれたテーブルにリンゴ37個とバラ38本を交互に並べ、その先に「最後の晩餐」のキリストの絵が描かれている。展示室に入ると、リンゴの甘い香りが漂う。

 「祖国の愛のために千回金槌を打ち下ろす」と題されたオブジェは、木材の表面を金づちでたたくことで無数の傷を作った作品。展示室の窓から差し込む光の角度によって、傷の影がさまざまな表情を生み出す。死を通して新たな再生へ向かうプロセスを暗示しているという。

 熱帯植物温室に展示されているオブジェ「母」は、温室にある滝を使った作品で、流れ落ちる水の中で「母」をイメージした小さな黄金の像が揺れている。今回の展覧会のために制作された。

 ときわミュージアムの学芸員・山本容資さんは「ゴルバさんは普段人が気にしないようなところをとらえて作品にしている。今回の展覧会では、窓から差し込む光によって見え方が変わる作品もある。作品が夕日に照らされる様子も見てもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(金曜・土曜・祝日の前日は19時まで)。火曜休館。観覧料は、大人=500円、高校生以下=無料。11月30日まで。(©マルニ)

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