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宇部で高田竜義さん初写真展 車いすの目線が紡ぐ、優しさと光に満ちた日常

初日はカメラ仲間が応援に駆けつけ、高田さん(左)が作品を説明した

初日はカメラ仲間が応援に駆けつけ、高田さん(左)が作品を説明した

 宇部市在住の高田竜義さんによる初の写真展「世界は広がり 近くを見る」が7月17日、宇部の「ノリーズカフェ」(神原町)で始まった。

高田さんの作品

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 1995(平成7)年、宇部市生まれの高田さんは、先天性脳性まひによる身体の不自由さを抱えながら、現在は会社員として働く傍ら、趣味で街中や風景のスナップ写真を撮り続けている。「山本写真機店」(中央町1)が主宰する写真教室「cheeeeese!!」の卒業生で、これまでにグループ展への参加経験はあるが、個人での展示は今回が初めてとなる。

 高田さんが本格的なカメラを手にしたのは高校卒業時。車の免許を取得して行動範囲が広がったことで、さまざまな場所へ撮影に出かけるようになった。

 「23歳くらいの頃、精神的に落ち込んでいた時期に、ふと申し込んだのが写真教室だった。カメラを通して多くの仲間ができ、ただぼんやりと過ごしていた僕の世界はどんどん広がっていった。最初は刺激を求めて派手な写真ばかり撮っていたが、次第に何気ない風景や日常のかけがえのなさに気づき、シャッターを切るようになった」と話す。

 撮影時には、徒歩と車いすを使い分けることもあるという。高田さんにとって車いすは単なる移動手段ではなく、ローアングルを安定して生み出す「三脚」のような役割も果たす。

 「不自由さを感じることは多いが、カメラを持つことで休日が充実している。中腰の姿勢や車いすからの低い目線だからこそ、遠くの空と街並みがダイナミックに交差して見える。地面に近い僕の視点からは、建物も少し大きく迫力を持って映る」と、独自の表現について語る。

 展示作品には、県内を中心に東京や岡山など県外で捉えた瞬間のほか、写真を始めて間もない頃に友人の肩を借りて岩場を降りて撮影したという山陽小野田市の「くぐり岩」も並ぶ。「大変だったが、頑張って良かったと思えるほど綺麗だった」と振り返る。

 レンズを合わせると約2キロの重さがある愛用の中判フィルム一眼レフカメラで、びしょ濡れになりながら撮影した山口市の「一貫野の藤」や、電車と踏切が重なる瞬間を捉えたカットなど、いずれも渾身の作品がそろう。

 同カフェ店主の坂上マサノリさんとは写真教室の仲間で、今年3月に写真展の打診を受けた。高田さんは「プロでもない自分が個展を開くなんておこがましいのではと最初は迷った。けれど、友人たちと他愛のないことで笑い合った大切な記憶を、写真を通じてみんなと思い出して笑い合えたらいいなと思った」と開催を決意した。

 坂上さんは「穏やかながらも、高田さんの作品には光があふれ、エネルギーや優しさが表現されている。人と違うことは素晴らしい個性。それを認めて前向きに生きる力を、作品から感じてもらえれば」と来場を呼びかける。

 高田さんは「今回の展示は、好きな13枚を集めたアルバムのようなもの。柳井の漁港で撮った父親の背中がとても小さく見えたことなど、大切な人たちとの時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。絵を描くには練習が必要だが、写真は半分くらい、そこにある被写体の力を借りるイメージ。携帯からでも始めやすいので、自由に表現を楽しむ仲間が増えれば嬉しい」と思いを込める。

 同展は今月21日まで。土曜・日曜・月曜は高田さんが在廊し、1本で10枚しか撮れない中判フィルム一眼レフカメラを使い、来場者を撮影する企画も用意する。

 開館時間は11時~17時。

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