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インタビュー2016-01-25

明治から続く老舗、激動の時代を生き抜く 株式会社櫻井葬儀店

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ビジネスマッチング宇部(以下、BM宇部)とのコラボ企画「事業者インタビュー」。第10回は、宇部・明治町に本社を構え、遺族に寄り添って葬儀のお手伝いをする株式会社櫻井葬儀店の専務取締役・櫻井和徳さん。会社のこれまでの経緯や業界の変化などについて聞いた。(聞き手/山口宇部経済新聞編集長 田辺久豊)

-お忙しいところ、取材をお受けいただき有り難うございます。

こちらこそ、有難うございます。先日は、私が所属する宇部青年会議所が実施した「ギネス記録挑戦イベント」を山口宇部経済新聞で取り上げて頂き、有難うございました。イベントは、おかげさまで大成功でした。

-そうですか、それは良かったですね。今日は本業といいますか、御社のことをいろいろお聞きしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

はい。よろしくお願いいたします。

-まずは創業についてお聞きしたいのですが、創業はいつになりますか。

1908(明治41)年に私の曾祖父(多美一さん)が創業しました。二代目は祖父(一徳さん)が務め、現在は父(正明さん)が代表です。1961(昭和36)年12月に法人化しました。

-100年以上続く、まさに老舗ですね。お葬式の形態は昔と比べると大きく変わったように思います。昔は自宅でお葬式をするのが当たり前だったですよね。

そうですね。今は自宅で葬儀をされる方は1割以下だと思います。昔は自宅にご住職さんを呼んで葬儀を行っていました。ご近所の方や親族の方も手伝って食事の準備をするというのが普通でしたね。

-そうでしたね。私も子どもの頃は、まだそういうお葬式でした。近所のおばちゃんたちが割烹着を着て食事を作っていた記憶があります。お葬式を斎場で行うことが主流になってきたのは、いつごろからでしょうか。

15年ぐらい前からですかね。当社が運営している中で最も大きな斎場は30年前に祖父の代に建てました。当時は斎場を運営するノウハウがなかったので、宮崎や岡山などの斎場を見学しに行って勉強したそうです。市内でも初の斎場だったので当初は利用する方も少なかったのですが、徐々に浸透していきました。料理や準備の手間がかからないので、随分楽になりましたよね。

-なるほど。先見の明があったのですね。お葬式を行う場所の変化以外にもいろいろな変化があるのではないですか。

はい、ここ数年でさまざまなことが変化しています。今はほとんどの方が病院で亡くなられますので、連絡を受けてから葬儀を終えるまで一連の流れをお手伝いしています。担当者がつきっきりでお迎えから葬儀まで行います。

核家族化が進んだ影響だと思うのですが、小規模の葬儀も増えてきました。いわゆる「家族葬」です。その流れを受けて当社でも8年前に東岐波で家族葬向けの「ファミーユ」を始めました。1日1組限定でご利用いただくので、自宅のように気兼ねなく使っていただくことができます。2年前には西宇部でも「ファミーユ」を始めました。小規模の葬儀がほとんどですが、中には100人単位でのご利用もあります。

-家族葬の利用が増えてきているのですね。葬儀の簡素化とも言えると思うのですが、この流れはさらに進んでいきそうですか。

都市部では「直葬」という形態が増えてきているようです。通夜や告別式などの儀式を行わず、火葬のみを行う形態です。身寄りの少ない人はそういった形でもいいかもしれませんが、個人的には最後にお別れの儀式を行った方がよいのではないか、という思いがあります。

-「直葬」ですか。そういう形態もあるのですね。やはり都市部の動きは常にチェックしていらっしゃるのですか。

そうですね。気にしてはいますし、新しい形態が出てくると何かと話題になりますね。ですが、葬儀などは地域ごとに独自性があるものなので、東京のトレンドが宇部に合うかは分かりません。そもそもはご近所同士で手伝いながら行っていたものなので、全体の流れは同じでも、しきたりやもてなしに違いが出ます。県内でも微妙な違いがあるほどですから。

-確かに地域ごとの特性はあるでしょうね。簡素化の流れで直葬まで行き着ついた先は、今度は逆に自宅でお葬式を行う形に戻っていくこともありえますかね。

小規模の葬儀と違って、親族や知人を自宅に呼んで葬儀をするのは大変ではありますが、そういった時だからこそ親戚が集まったり、社交の場のようになることもありますよね。故人が作った縁だと思いますが、そのような交流を楽しみにされている方もいらっしゃいます。お客さまの望まれる形が一番ですが、そういった意味でもやはり直葬よりもきちんとお別れをした方がいいように感じますね。

-葬儀のプランは、いろいろと用意されているのですか。

はい。斎場によって違いはありますが、プラン外のオーダーも承っています。打ち合わせでは故人の好きだったものや色などをヒアリングします。写真や趣味のものなどはなるべくお持ちいただき、式場に展示するようにしています。

-最後のお別れですからご家族の方の思いもそれぞれあるでしょうね。ところで話は変わりますが、櫻井さんは昔から事業を継ごうというお考えだったのですか。

いえ、継ぐ気はありませんでした。私は洋服が好きだったので東京の専門学校に行きたいと思っていました。漠然と東京に行きたいという思いもありました。結局、東京の大学を卒業したのですが、就職活動などをしている内に考え方が変わり、卒業後は「エポックジャパン」という葬儀会社で修業を積みました。「ファミーユ」を運営しているのがこの会社です。

「ファミーユ」は、宮崎県出身の社長が立ち上げてヒットし、東京に本社を構えて全国に70以上のホールを展開しています。その会社で働いていたこともあって、当社でもFC展開しようと考えました。

-現在、御社で運営されている斎場は何カ所あるのですか。

宇部市内では宇部市民第一・第二斎場(宇部市港町2)のほかに、ファミーユ東岐波(宇部市東岐波)とファミーユ西宇部(宇部市西宇部南2)があります。市外では、山陽小野田市の光雲閣斎場(山陽小野田市目出新町)、県外に福岡のファミーユ徳力(北九州市小倉南区徳力1)があり、合計6つの斎場を運営しています。

-北九州市に出店された理由を教えてください。

北九州市は人口も多く、全国でも激戦区のひとつなのですが、家族葬用の会場がまだなかったので出店してみたいと思いました。現在は2名が専属で勤務しています。北九州市内にもう何店かを展開することで「ファミーユ」の認知度をさらに上げていくことができると考えています。

-少子高齢化・人口減少の時代ですが、葬儀の業界としてはまだまだ伸びる余地がありそうですね。

この業界は、2035年~2040年にピークを迎えると言われています。そこまでは伸びますが、それ以降は一気に下降線をたどっていくと思いますので、そこを見据えた早めの出店を行っていきます。私の代で終わらせるわけにはいかないので頑張っていかないといけません。

-「ファミーユ」を知ってもらうための取り組みは何かされているのですか。イベント開催など・・・

「遺影撮影会」を定期的に行っています。昨年は3カ月に1回のペースで開催しました。当日はヘアメークさんに髪型や化粧を整えてもらい、カメラマンに撮影してもらいます。撮影した写真の中からご自身で好きなものを選んでいただき、印刷した写真とCD-ROMをお渡ししています。60~70代の方のご参加が多いのですが、とても喜ばれています。

-プロのメークさんとカメラマンにお願いできるのですか、それはいいですね。しかし、自分の親に「遺影撮影会」に行ってみたら、とはなかなか言いづらいものがありますね(笑)。

確かにそうですよね。私も「遺影撮影会」だけだと集客が難しいかもと思って、仏壇屋さんと一緒にやったりエンディングノートの書き方などの終活イベントとして実施したりしました。

-なるほど。そういうコラボも良いと思いますが、異業種でコラボしてみるのはどうでしょう。終活とはまったく関係ないこと、例えば孫と一緒に遊びに行けるイベントだったりすれば、もっと気軽にすすめられるような気がします。

それはいいですね。私が考えるとどうしても終活やエンディングノートなどの同じ業界でのコラボに意識が向いてしまいますが、全く違った業種とのコラボも楽しそうですね。

-そうですよね。誰もがいつかは遺影が必要な時が来るわけですから、気軽に参加できるような仕掛けがあると良いですよね。今後の展開も楽しみにしております。本日はありがとうございました。

はい。こちらこそ、ありがとうございました。

株式会社櫻井葬儀店
山口県宇部市明治町1丁目9-5
TEL:0836-21-0360
代表者:代表取締役 櫻井正明

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