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インタビュー2016-02-01

地方でも料金変動の時代へ 有限会社ビジネスホテル新川

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ビジネスマッチング宇部(以下、BM宇部)とのコラボ企画「事業者インタビュー」。第11回は、JR宇部新川駅から徒歩3分の場所で「ビジネスホテル新川」を経営する有限会社ビジネスホテル新川の代表取締役・作村良一さん。IT化が進むホテル業界において、料金変動制などこれから起こる変化について聞いた。(聞き手/山口宇部経済新聞編集長 田辺久豊)

-今日はお忙しいところ、有難うございます。これから受験シーズンになりますが、毎年この時期はお忙しいのではないですか。

そうですね。受験シーズンは予約がかなり入るのですが、センター試験の結果によって予約がキャンセルになる数も多いです。予約の問い合わせやキャンセルの対応などでフロント業務はかなり忙しくなりますね。

-なるほど。仮予約的にとりあえず宿をおさえておく人が多いわけですね。御社はJR宇部新川駅から近い場所にありますが、普段はどういった客層の方が宿泊されているのですか。

昔は山大医学部に営業に訪れた製薬会社の方などがご利用されることも多かったのですが、今は工事業者の方がほとんどです。宇部・山陽小野田の工場などで、定期的に大規模な設備点検があるので、その時期になるとほぼ満室になりますね。

-定期的な点検での宿泊利用ということは、リピーターというか常連客もかなり多そうですね。

はい、多いです。毎週宿泊される方もいらっしゃいます。

-大規模な点検や工事などは動員人数も多いように思います。そういう時期には宇部市内のビジネスホテルはどこも満室になるのですか。

ほぼそうなりますね。今年の秋にも石油関連の工場で大規模な点検が控えているのですが、その時期はすでに空き部屋がほぼ無い状況だと思います。

-そうなんですね。ちなみに現在、宇部市内にビジネスホテルは何軒ぐらいあるのですか。

ビジネスホテルは10数軒あります。逆に旅館が無くなってきていますね。当ホテルは、以前は素泊まりのみだったのですが、食事を希望されるお客さまが増えてきたので、1983(昭和58)年に館内にレストランを設けました。

-御社は創業時からビジネスホテルの形態だったのですか。

以前は旅館をしておりましたが、1980(昭和55)年1月にビジネスホテルに変わりました。私は広島の大学を卒業して観光ホテルで働いていたのですが、その年の10月にUターンして戻ってきました。

部屋数は、当初は35部屋ありましたが現在はシングル55部屋、ツイン6部屋、和室3部屋です。

-ビジネスホテルに変わってから30年以上が経ちましたが、業界での大きな変化というのは何かありますか。やはりネット経由での予約が増えたことでしょうか。

そうですね。この5年ぐらいでネット経由での予約が急速に増えました。現在は半数近くがオンライン予約です。楽天トラベルやYahoo!トラベル、じゃらんなど、あらゆる宿泊予約サイトに当ホテルも登録していますが、3分の2は楽天トラベルからの予約です。
オンライン予約が可能になる前は営業活動というのは特にしてこなかったのですが、現在は楽天トラベルが実施するキャンペーンなどに参加することがあります。キャンペーンに参加すると非常に反応が良くて、客室稼働率は上がるのですが手数料の負担が増えるので、そのあたりの裁量が難しいところです。

予約サイトに投稿されるホテルの評価も気になりますね。予約時に利用客の評価を参考にされる方も多いので。当ホテルは新しくはないですが、不便・不潔にならないように気をつけています。ビジネスホテルは最初に投資して建てた後もある程度のレベルを保たなければなりません。

-ホテル業界は、IT化が進んでいる業界だと思います。予約を管理するにもITが必須ですよね。

はい、そう思います。当社でも複数の予約サイトから入る予約を一元管理できる専用ソフトを使って対応しています。オーバーブッキングにならないように調整しながらの運営はフロント部門の負担が大きくなりますが、最後の1部屋まで対応できなければ客室稼働率は上がりません。ITを使って管理しないと無理だと思いますね。高齢の方が経営するホテルなどは大変だと思います。

-ホテル内の設備面においての変化はどうでしょうか。

館内にレストランを設けたことは先ほどお話ししましたが、最近は「Wi-Fiがありますか」と必ず聞かれます。ネット回線は有線と無線、どちらも無料でご用意しています。
禁煙室の希望も多くなりました。しかし、禁煙室は埋まっても喫煙室が埋まらない日や、その逆の場合もあって適正な部屋数を考えるのは難しいことです。ホワイトカラーの宿泊客が多い都会では3分の2が禁煙室でもいいのかもしれませんが、当ホテルの利用者には喫煙される方が多くいらっしゃるので、現在はシングル55部屋の内、23部屋を禁煙室にしています。喫煙室であっても空気清浄機を利用すれば禁煙者の方の不快感も減るかと思い、加湿空気清浄機の導入を現在検討しています。そういった対応もしっかりとしていきたいです。

30年以上経った古い建物といえども、設備面では新しいホテルと同じように対応しています。最近は都会で取り入れられ始めた新しい設備などを、地方でもすぐに取り入れるようになってきています。

-競争が激しそうですが、ビジネスホテルは他社との差異が出しにくいような気もします。ビジネスホテル新川としての特長を教えてください。

朝食付きのホテルは多いですが、当ホテルは宇部では珍しい「夜のお食事」の提供を行っています。スポーツ団体客や長期宿泊される方などが1泊2食付きで宿泊されることが多いです。特に梅雨時期は外出するのが面倒だからと喜ばれます。ご相談をいただければ急きょでもご用意できます。

それから、当ホテルは「Aカード」に加盟しております。Aカードに加盟できるのは1地域1ホテルなので、宇部では当ホテルのみです。宿泊するたびにポイントが貯まり、加盟ホテルのフロントならどこでもポイントの現金キャッシュバックが可能です。

つい先日、近くにコンビニも開店したので、利便性がさらに良くなったことも強調しておきたいですね。

-夜の食事は確かに珍しいサービスですね。宇部のビジネスホテルの料金相場はどのくらいなのですか。

素泊まりで5,000円~5,600円。朝食をつけると5,000円代後半くらいかと思います。この業界では、固定料金(通年で部屋の料金が同じ)が当たり前だったのですが、都会では日によって料金を変えるところが出てきました。同じ部屋でも平日は5,000円なのに、ピーク時には30,000円を設定している大手ホテルもあります。

-料金を変動するのはホテル側で自由にできるのですか。例えば条例などで決まりがあるとか・・・。

料金設定はホテル側で完全に自由にできます。今はまだ一部のホテルのみが変動料金にしていますが、将来的には変動料金が当たり前になるのではないかと思います。

-そうなんですね。となると、需要予測が非常に重要になりそうですね。

はい。大規模な工事や点検などの予定のほか、宿泊を伴うイベントなどの情報を早めに入手して、適切な料金を設定していく必要があると思います。スーパーやコンビニなどでの商品発注管理と同じような考え方がこの業界にも必要になってくると思います。

-かなり大きな変化が起きそうですが、裁量一つで利益率を大きく改善することもできそうです。利益を伸ばす余地はそのほかにも何かありそうですか。

ネット予約での手数料が負担となっているので、自社で予約が取れるようになれば利益は伸ばしていけると考えています。今でも常連さんは直接電話で予約をくださいますので、当ホテルのホームページや電話での予約を増やしていけるといいのですが。

-そのほかにも何か今後の課題はありますか。

将来的には大手ビジネスホテルチェーンが続々と宇部に進出してくるに違いありません。個人経営の小さなホテルにとっては脅威です。常連客を増やしながら、新規客をどのように開拓していくかが課題になると思います。

-なるほど。業界の変化に適応しながらも当たり前のことはやっていかないといけませんね。今日は非常に興味深いお話を聞くことができました。お忙しいところ、ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

有限会社ビジネスホテル新川
山口県宇部市上町1丁目5番4号
TEL:0836-34-2411
代表者:代表取締役 作村良一

ビジネスホテル新川

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