特集/コラム

【ヤマ経インタビュー】2007-12-21

若者の独創性にあふれる商店街・駅通り−“個”の連結、成長が今後のカギ

 山口市中心商店街の西の核となる「どうもんパーク」が12日、一部オープンし、1階に「コープどうもん店」、2階に街づくり山口(TMO)が入居。今月25日には同じく2階に、歯科医院「MKデンタルオフィス」が開院する。商店街東側では、井筒屋の出店を来秋に控えるとともに、国が認定した中心市街地活性化基本計画(中活)に基づく事業が始動している。活発化するアーケード街に注目が高まる中、若者の相次ぐ出店で一躍脚光を浴びた駅通りは、この動きをどう捉えているのだろうか。駅通り商店会の中村好文会長(54)に話を聞いた。


駅通り商店会の中村会長―― 中村会長は駅通り商店街の変遷を見てこられましたね。

中村 そうですね。中村理容店の駅通り出店が1950年頃、約60年前になります。生まれも育ちも駅通りですから、戦後の街の動きはある程度わかっていると思います。山口駅から伸びるこの通りも、昔はあまり広くもなかったのですが、旅館や手芸店、材木屋、ガラス店など、鉄道の乗降客や市民生活にかかわるあらゆる業種の商店がずらりと軒を連ねていました。今の姿からは想像がつかないと思いますが。それが、高度経済成長とともに車が普及してからは、駐車場も確保できる土地への移転、客の減少や後継者不在のための閉店などで、店舗数はどんどん減っていきました。そうして出た空き物件がテナント化していったわけです。

―― ここ数年は若者たちの出店ラッシュがメディアにも取り上げられましたが。

中村 20歳〜30歳代の若い経営者が出店するようになったのは10年ほど前からです。最初は2軒程度でしたが、ぽつりぽつりと増えていって。コンビニエンスストアーや無印良品ができたことも要因の一つだったでしょうが、セレクトショップや古着屋、カフェに居酒屋、雑貨店など、若者ウケする個性的な店が増えるにつれ、人の流れがずいぶんと変わりました。昼も夜も通りを歩く人が絶えなくなり、マスコミに注目されるようになると、一気に火が着きましたね。わざわざ県外から買い物にくる人もいれば、空き店舗はないかとの引き合いも殺到して。そのピークがだいたい3、4年前。今は“一段落”と言ったところでしょうか。空き店舗も出てきましたし。

―― 今年の通行量調査で、商店街への来街者数は軒並み減少ということでしたが、駅通りは?

中村 平日は大幅に減っています。それと特に感じるのは、客の流れが短くなったということ。目当ての店には行くけれども、ウインドーショッピングなどの散策はしないといった感じ。一時期ほどのスポットではなくなってきています。情報が行き渡り、熱も収まった状態、ある意味今が「実力」なのでしょう。

―― 中活をはじめ、アーケード街の動きが加速していますね。

中村 駅通り商店会は事業規模が小さく、大々的なことはできないのが現実です。ですから、各店の努力で生き残るしかない。さらにこれからは、個々の経営努力プラス「連携」なくして、発展はできないでしょう。若者のスポットとして脚光を浴びたこと自体すごいことなのですが、人間にはどうしても飽きがくる。永遠のスポットなんてあり得ませんから。今は正念場。若さの勢いだけではなく、経験値を積みながら、経営者としての実力を養う時期だと。肩を並べて商売する者同士、皆で力を合わせて通り全体の集客力を上げなれば、各店の伸びもありません。駅通り商店街の若き起業家たちが本当の魅力を出せるのはこれからだと思っています。

―― 中村会長は山口中心市街地まちづくり推進協議会の会長であり、中活の協議会にも所属されていますね。

中村 商店街を中心とするまちづくり活動に長年携わってきましたが、中活に基づく事業は、本当の意味での官民協働を果たせるものだと実感しています。将来がはっきり見えているわけではありませんが、山口市の駅通り先は明るい。だからこそ、若者の独創性や個性で一時元気を取り戻した駅通りも、その動きを捉えながら次の手を考えないといけない。中心商店街のメーン通り・アーケード街で新たな活力が生まれれば、クロスするこの通りにも自然にパワーが流れてきます。それをどう生かせるのかは我々次第ですから、やる気のある若者たちにノウハウを渡しつつ、サポートしていきたいと思っています。

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