山口・下竪小路に7月5日、「すいーとぽてと」で知られる和菓子店「菊寿堂」（山口市下竪小路、TEL 083-922-1259）が移転オープンした。

　移転先は、同じ竪小路筋から約150メートル南へ行った場所。店舗面積は3坪。竪小路の町屋を利用した店舗には、大きく「菊寿堂」と書かれた看板が掲げられている。ショーケースだけのシンプルな店内で、店舗奥が和菓子を作る厨房となっている。

　同店の代表的商品は、大正の終わりごろから販売されている「椹乃月（ふしのつき）」（80円）で、求肥まんじゅうを羊羹でコーティングしたもの。昭和15年ごろから販売している「すいーとぽてと」（130円）も評判で、地元テレビ番組や雑誌などで度々取り上げられてきた。「石焼きいもの甘いもの」をコンセプトに、さつまいもを裏ごしせずにそのまま使用しているのが特徴。そのほか、季節に応じたさまざまな和菓子を提供している。

　同店は、明治10年に旧大内村（現山口・大内）に創業。昭和初期に山口・中市に移転し、40年前に山口・竪小路に移ってきた。現在は4代目となる福井英輔さんが店主。5代目となる福井さんの長男は、東京の和菓子店に務めて技術を磨いているという。

　福井さんは「今回の移転の際に、昭和3年に発行された和菓子の本が出てきて、歴史の長さを感じた。同店は40年前から竪小路で営業していたので、大殿エリアに愛着がある。たまたまこの場所が空いてすぐに移転を決めた。こういった縁を大切にしていきたい」と話している。

　営業時間は10時～19時。日曜定休。
（©マルニ）