山口「中原中也を読む会」、開催100回に-記念館で直筆現存「手紙展」も

中原中也記念館で開催されている「中原中也の手紙」展

中原中也記念館で開催されている「中原中也の手紙」展

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 山口・湯田温泉出身の詩人・中原中也の作品を考える「中原中也を読む会」が9月28日、100回目の開催を迎えた。

中也生涯最後の手紙も

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 中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430)が主催する同会は2004年に発足。教育普及事業の一環として中也の世界観を楽しむことを目的に、月替わりでテーマを決め同館学芸員が解説。毎月第4金曜日に読書会形式で開いている。

 当初は中也の詩などの作品をメーンに読んでいたが、最近では「幅を広げ」中也にゆかりの深い人物に関することや「中原中也賞」を受賞した作家の作品、音楽になった中也の作品などにもスポットを当てているという。

 「もう100回かと思うと感慨深い。中也ファンや文学ファンを中心に、毎回約20人前後が参加している。皆さんがどのように感じながら詩を読んでいるのかを知ることができ、とても新鮮で印象深い。何よりもコミュニケーションの場として、中也の作品の心を次の世代に伝える場になっている」と同館館長の中原豊さん。

 同館では現在、特別企画展「中原中也の手紙-安原喜弘との交友」が開催されている。同展では、中也の作家人生の大半の期間を占める1930(昭和5)年から中也が亡くなる1937(昭和12)年までの期間に友人・安原喜弘へ宛てた手紙を展示している。安原は生涯にわたって中也を理解し、中也の没後には「中原中也の手紙」を執筆。中也の真の人物像を伝えることに貢献した。

 第2期となる今月8日までは、昭和6年・昭和8年・昭和11年の手紙98点を中心に、安原に出した直筆の原稿など全約140点を展示。中也の生涯最後の手紙や遺品の名刺なども展示する。

 中原さんは「手紙をメーンにした企画展は初の試み。中也と安原の友情を超越した交流を垣間見ることができ、直筆を多く並べるので迫力もある。詩人らしい表現や、中也のその時の感情も読むことができる。2人のやり取りや通じ、手紙の大切さも感じてもらえれば」と来館を呼び掛ける。

 同館では今月7日に「SPレコードコンサート」を、21日にはプロムナードトーク(同館学芸員による展示解説)を、それぞれ実施。コンサートでは、中也が安原と聴いていたというメジャー音楽を、蓄音機を使って当時の音源で再生する。

 開館時間は9時~18時。月曜・毎月最終火曜休館。入館料は、一般=310円、大学生=210円、小・中・高生=150円。10月29日まで。

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