写真展「カメラがつなぐ二人展~ファインダーの向こう側でまた逢えた~」が7月31日、宇部の「ノリーズカフェ」(宇部市神原町)で始まった。
同展は、宇部市在住の松尾京子さんが、昨年7月に急逝した夫・浩さんの一周忌に合わせて開くもの。逝去後に浩さんのカメラを受け継いだ京子さんが撮影した写真と、浩さんが生前に撮影した作品をあわせて展示する。
58歳で生涯を閉じた浩さんは、市内で「松尾塗装店」を営む傍ら、40代後半から「山本写真機店」(中央町1)主宰の写真教室「cheeeeese!!」に通い、カメラをこよなく愛していたという。
京子さんは「夫から写真教室に行くことを勧められたが、当時は『スマホで十分だよ』と笑って返していた。遺されたカメラをおそるおそる手に取り、電源の位置を探すところからのスタートだった」と振り返る。
「周りの方々に背中を押してもらい、ご縁がつながって今年4月に夫と同じ写真教室に通い始めた。夫が秋になると庭のフジバカマにやってくるアサギマダラを撮るのが恒例だった。今年5月末の新緑の頃、遊びに来てくれた一瞬を良い1枚に収めることができ嬉しかった」と顔をほころばせる。
会場には、被写体を見つめる二人の優しい眼差しが感じられる風景や日常の写真が並ぶ。浩さんが「宇部市芸術祭」で奨励賞を受賞した作品や、仲間と撮影した8枚のほか、京子さんが実母の手元を写したものや、浩さんの日記帳を収めた写真など4枚を展示する。
同カフェの店主・坂上マサノリさんは、浩さんと写真教室の同期生。卒業後も10年以上の親交があり、昨年10月には浩さんを追悼する写真展を開催した。
坂上さんは「浩さんはいつも明るく、誰からも愛される優しい方だった。遺されたカメラを京子さんが引き継ぎ、写真教室に通い始めてから今回の『二人展』の構想が動き出した。浩さんが見ていた世界と、同じカメラを通して見つめた世界が一つの空間で巡り合う、温かい時間を感じてほしい」と来場を呼びかける。
京子さんは「初日から多くの方が訪れて懐かしい思い出を聞かせてくださり、胸がいっぱい。こうして夫と私の『二人展』が実現するなんて夢のよう。写真を撮ることが大好きだった夫の笑顔を思い浮かべながら見てもらえたら。私はまだまだ勉強中だが、夫が残してくれたご縁を大切にしながら、これからも私らしい景色を撮り続けたい」と思いを込める。
開館時間は11時~17時。同展は今月11日まで。土曜・日曜・祝日は京子さんが在廊予定。