カフェ「aid Local gastronomy +(エイド・ローカルガストロノミー・プラス)」(山口市佐山渚)が5月31日にオープンした。同所で1組限定のレストランを営む「mitsuwa(ミツワ)」の姉妹店で、自社農園の野菜を使った料理を提供しながら、地方でのレストラン開業を目指す次世代の料理人を支援する。
店主は、大阪市出身のフレンチシェフ・三和慎吾さん。妻の靖子さんと二人三脚で経営し、新店舗では靖子さんがフロントに立つ。レストラン同様、朝一番に収穫した約150種類の野菜やハーブを主役にしたランチやドリンクを提供する。
約10年前に地元へUターンした靖子さんは「当時は『田舎でフレンチなんてやっていけない』と言われたこともあったが、わざわざ足を運びたくなる理由を作るために畑作りから始めた。約5年をかけて安定供給ができるようになり、今では関西から日帰りで来てくださるお客さまもいる」と振り返る。
週末限定の予約制で営業するカフェスペースにはカウンター6席を用意する。今後はテーブル席やテラス席の増設、スタッフの増員に合わせて営業日の拡大も視野に入れる。
メニューは、「オムカレー」を看板に据え、「畑の野菜やハーブ約10種類を凝縮した」という「サラダセット」(2,200円)と「ドリンクセット」(2,800円)を用意。トッピングとして、とろける「チーズ」(200円)や、山口県産牛を豪快に煮込んだ「肉塊」(400円)を追加できる。
ドリンク(テイクアウト可)は、採れたてのハーブを使う「いちごと自家製ビーツのサイダー」「ブラッドオレンジとセージのサイダー」「カモミールのレモネード」など。「山椒(さんしょう)クリームソーダ」(750円)や、ビール、ワインもそろえる。
同店は、カフェとしての側面に加え、地方で「一流」シェフを目指す人のための実践的な研修プログラムも行うほか、相談会も開く。
2024年から本格的に料理人の育成に力を入れてきた靖子さん。プログラムでは、料理の基礎や自分らしい一皿の構築法のほか、農業や狩猟、DIYなどを掛け合わせて「わざわざ行きたい店」にするための戦略を伝えるほか、実店舗での模擬講習も行う。国際的な農業体験制度「WWOOF(ウーフ)」に登録し、海外からのファームステイも受け入れていくという。
靖子さんは「私自身、子育てと仕事に追われて大好きな料理が作業に変わってしまいそうな時期があった。今こうして店を構えられているのは、リノベーションを我が事のように手伝ってくれた地域の方々のおかげ。だからこそ、一人で頑張らずに私たちを頼ってほしい。走り続ける料理人がエネルギーを補給し、また次の一歩を踏み出せる『エイドステーション(補給所)』でありたい」と話す。
オープンからもうすぐ1カ月を迎える。「レストランの開店当時に近い価格帯にしたこともあり、久しぶりに足を運んでくれるお客さまも多い」という。
「ガストロノミーの学校を通して、作り手が生き生きと理想の暮らしと料理人の道を両立できる世界を作りたい。みんなで飲食の未来を築くことで、地方の食文化はもっと発展していくはず。物件や資金、集客など開業後の苦労は山ほどあるが、私たちが試行錯誤の末に見つけた近道を、次の世代へ引き継ぎたい」と、未来を見据える。
カフェの予約は11時30分~と13時~の2部制。LINEアカウントで予約を受け付ける。